大森side
橋の上に立つ
下は何十年か前までは川が通っていたらしいが、今は水なんてなくただの土
やっと死ねる
今まで涼ちゃんや若井に家でも外でもずっと監視されてて死ねなかった
やっと、2人の隙を見て外に出ることができた
死ねる
やっと…。
橋の柵に足をかけた途端誰かに腕を掴まれ、後ろに引き戻される
大「うわっ…、!」
振り返ると、若井が立っていた
若井は涙目で何か言いたそうな顔をしてるけど何も言わない
しばらく無言が続いた
今から走って逃げれば撒けるかな…。なんて考えてると若井が掴んだままだった手を引いた
若「帰ろう、」
無理か。
大「うん」
今度は薬
死ねるかはわかんない
棚の奥に隠してた薬
200錠はあるのかな
追加で家にあった風邪薬もワンシート。
さあ
のむぞ。
ゴキュ、
んん、、。
ゴキュ、
錠剤が喉を通る感じが気持ち悪い
ゴキュ、
ガチャッ
藤「元貴、だめ…。」
涼ちゃんが後ろから抱きついてそういう
でも僕の薬をのむ手は止められなくて
結局涼ちゃんに無理やり薬を離される
藤「死んじゃうよ、?」
涼ちゃんが震えた声でそういう
大「わかってる」
そういうと涼ちゃんは涙を流した
藤「じゃあっ…。僕もこれ今から全部のむから、。」
僕が持っていた水を奪い取り、涼ちゃんも薬をのみはじめた
僕は泣きながら止めた
涼ちゃんが死んじゃう
そんなの嫌だ
藤「ゴポッ、…。げほっ、…ほら、…死んじゃ、嫌でしょ…、?」
涼ちゃんは元々錠剤が苦手なのにそこまでして説得しようとするから既に嘔吐きを繰り返してる
若井を呼びに行こうとして立ち上がるけど僕も薬が回ってきていて歩けない
大「わかッ、…!!涼ちゃ、が…、。しんじゃぅ、」
床を叩きながら若井を呼ぶ
きっとこんな声じゃ聞こえない
藤「元貴、だいじょ、ぶ。しなないよ、笑」
涼ちゃんは倒れた
僕も限界で
意識が朦朧としてきた
もうむりだ
次は病院
首を吊って死ぬ予定
隣のベッドには涼ちゃんが居る
「ごめんねー」なんて言って謝ってくるけど
本当に怖かったんだから。許さない。
他の病院は自殺しないように持ち物とかのルールが厳しいけど
この病院は緩くて
ズボンの紐まではちゃんと見てなかったみたい
ズボン二着から紐を抜いて繋げ、首を通す輪を作る
涼ちゃんがお昼寝してる間に。
できた
あとはこれをトイレのドアノブにでもかけて首を通すだけ
早く死にたいな
楽しみ
んふふ
あ
寝ちゃってた
あれ、ない
紐が
若「あ、起きた…。」
大「若井…?」
若「今日から面会OKだってさ。でも寝てるから…」
大「ごめん、」
涼ちゃんは既に起きていて、若井とおしゃべりしてたみたい
藤「元貴が起きたらナースコール押してって言われてなかった?」
若「あ!そうだった笑」
そう言ってナースコールを押す
寝ちゃってただけなのに。
しばらく来るとナースさんではなくお医者さんが来た
医「おはようございます。寝てる時に手に持っていた物はうちの看護師が見つけたので没収しましたよ。持ち物検査もやり直して、ほとんどのものは回収です。」
大「え、」
紐か
だから無くなってたんだ
藤「元貴、持ってたものってなあに?」
なんだか言葉に詰まって黙っているとお医者さんが先に口を開いた
医「大森さんは明日から別の部屋に移ってもらいます。」
若「それって…」
藤「元貴、なにしたの」
大「首吊って死のうとしただけだよ、」
そう言っただけなのに涼ちゃんと若井は泣いちゃった
泣かないで。
そう言ってみるも、2人にこの言葉は効かないみたい
僕は後日部屋を移動して、拘束された
トイレもお風呂も看護師さんに手伝ってもらう
なんて不便な生活
次はどうしたら確実に死ねるんだろう
コメント
6件
泣ける(´;ω;`)
うぁお!最高です!夜中までお疲れ様でした!頑張ってください👍