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Side:A
「今日もありがとう。指輪ももらったし」
俺は、今日も仕事に励む。
姫に指輪を左手の薬指につけろと言われたが流石に無理だ。売り上げに影響するのは困る。
「うーん、じゃあ右手の薬指にしない?そしたら俺たちカップル誕生じゃーん!」
やっと納得して貰った。一件落着だな。
「じゃあ、アフター行こっか」
姫は今日は用事があるようで今日のアフターは無しにた。
「あ゛〜つっかれたー」
思わずでかい声に出してしまう。
「お前、この次もう一件あるんだろ?」
こいつは、大森元貴。うちの店のNo.2。
女じゃない純粋なる男、いいな俺もそんなふうに生まれてきたかった。
まあ、男装だから稼げてるってこともあるけど。
「No.2がNo.1に口出しするんじゃねぇよ」
「そうだねー、綾華は今や歌舞伎町のなんばーわん!」
ちっ、いつまでこいつは煩わしい奴なんだよ。
「だから仕事場では綾華じゃなくて綾斗って呼べよ、ばーか」
そう俺は源氏名で活動している。
山中綾斗。
一文字変えただけだけどそれだけで気が楽になる。
「てか今日俺ん家来る?たくさんきもちいことしてあげるよ〜」
ほんとにこいつは悪魔で。体の付き合いとはいえ俺にとっては同性とヤってるようなもんなんだぞ。
とはいえこいつは意外にも俺を気遣ってくれる。
女だったの!って姫に怒鳴られている時に助けてくれた、一生の恩人。
「今日は遠慮しとく、あと一件あるしね」
「ちぇつまんないなー」
そう言ってあいつはまた次の仕事へ向かった。
よし俺も次の仕事に行くかー
姫が来た。
か、かわいい。初めてだ、ホストやってからこんな気持ちになったのは。
「初めまして」
意外だな、向こうから話しかけてくれた。
「初めまして〜」
とりあえず名前くらい聞いておくか、まあ最初に名前書くのは鉄則だけど。
「お名前は?なんてゆーの?」
「藤澤涼架って言います!」
可愛い、喋り方もいちいち出る仕草も
「じゃあ涼ちゃん、よろしく」
楽しみだ、初めてそう思った。
「すいません、これ」
なんだ?
バンッ!
目の前に出されたのは、大量の札束。
ヤバっこれだけで1000万はあるだろ、どんだけお金持ちなんだよ。
「本当にいいの?」
「はい!」
すげぇなこの子。初回でこんな貢いでくれたのは初めてだ。
今日、はじめてづくし過ぎない?
そんな楽しい時間はあっという間に過ぎていった。
最後に告げられたのは、こんな一言だった。
「黙っててごめんなさい、私男なんだ。」
気づかなかった。でも関係ない。
「大丈夫、俺も女だから、心配しないで」
え?ないちゃた。
俺なんかしたかな?そう思いながら声を掛ける。
「大丈夫?」
「大丈夫です、ちょっと安心しちゃて」
良かったー
「じゃあね」
「はい!またー!」
それにしても可愛い子だったな。
ふと帰りながら思う。
あーやばいやばい、忘れられねぇ
LINE
「元貴、家行ける?」
『やっとその気になった』
忘れよう、一旦