episode.4 「既読の温度」
テーマ:「孤独」・「相手に依存する怖さ」
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恋の温度がすれ違い始め、彼の沈黙がこんなにも重く感じる
既読がついて、返備が来ない。
それだけのことなのに、胸の奥がざわめいて落ち着かない。
ゆあんのアイコンの横に小さく光る”既読”の文字。
たったそれだけで、心が勝手に期待して、勝手に落ち込んでいく。
前は、すぐに返してくれたのに_
夜は遅くても、どんな話でも、軽く返してくれたのに。
最近のゆあんは、「忙しいんだ」と言っていた。
彼女のことなのか、バイトなのか、きけなかった。
聞いたら、何かが壊れそうだから。
スマホを握ったまま、画面を見つめる。
文字が浮かぶ気配もない。
指先に残る熱だけが、どうしようもなくて寂しい。
結局、DMを閉じて、ゲームを起動した。
ログインリストに「yua_n」がいない。
いつもの時間なのに、いない。
マップをひとりで歩く。
どこかで聞いたBGMが、やけに静かに響く。
チャット欄には誰もいない。
夜の街が、デジタルの中で凍っているように見えた。
その夜、ベッドに横になっても、スマホは手の届く場所に置いてあった。
通知の音を聞き逃したくなかったから_
でも、画面は最後まで沈黙を守った。
DMの一番上に並ぶ”既読”の文字だけが、
少し冷たく光っていた。
コメント
2件
見せていただきます!! 待ってますね
✌🏻✌🏻(4️⃣)話完読ありがとうございます! 今回は、投稿の時間が遅くなり申し訳ございません🙇♀️ 明日もまた投稿する予定ですので、ぜひ見てください✨