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鶚 DÄMON-9
胸焼けがするぐらい嫌な物を見てしまい、気分が落ち込んだ状態で教室に入る。
女子生徒「おはよ。…といってももう直ぐ昼だけど…」
俺「あ…あぁ、おはよう。」
女子生徒「元気ないね。」
彼女は”唐崎 奈穂子(カラサキ ナオコ)“、どういうわけか中学と高校が同じで一番まともに会話が出来る人物だ。
好きとかそういう感情はないが、何故か彼女に相談すると少しだけ気が楽になる。
取り敢えず今日の出来事を彼女に話してみた。
奈穂子「そのメモって写真か何か撮ってたりする?」
俺は一応あの数字が書かれたメモをスマホのカメラで撮って写真に保存してあった。それを奈穂子に見せる。
奈穂子は俺のスマホに映るそのメモを凝視する。
奈穂子「これ、JISコードね。それも10進数。」
俺「すげぇな…わかるのか。」
奈穂子「これを文字にすると……」
奈穂子はスマホを取り出し、文字に変換しだす。
奈穂子「出来たわ、『明日ここで人が死ぬ』って。」
俺「なぁ、それってさ…殺人予告じゃねぇの?」
奈穂子「かもね…アンタも気を付けてよ…良二。」
俺「わかってるよ。」
俺はとんでもない物を見てしまったようだ。
確かに凶悪な殺人の前触れに動物の不審な死体が発見されたりすることがあるというのは聞いたことがある。
もし今回のこともその類なら彼女の言う通り気を付けないといけない。
下手をすれば俺自身が巻き込まれる可能性もある。ましてや通学で頻繁にあそこを通るのだから。
授業中のこと、俺は睡魔に負けてしまったのかそのまま机の上で眠ってしまったようだ。
昨夜の夢で遭遇した女性だ。
那奈「血がこの辺りに流れるわ…」
俺「どういうことですか?」
那奈「さぁ?」
彼女は膝立ちの状態で俺にそう言う。
対して俺はどういうわけか仰向けに横たわっている。そして金縛りにでもあっているかの如く動けない。
那奈「大丈夫、貴方はまだ死なないから。」
俺「何の事ですか?」
那奈「自分の身体の状態をよく理解しなさい。」
何の事を言っているのかよくわからないが、とにかく今俺は動けないでいる。
仕方ないのでこの体勢で辺りを見回すと俺の右腕から血が流れていることに気付いた。
そしてそれから2秒程経った後、異様な激痛に襲われる。
俺「いてぇ、何だよこれ。」
何故右腕から出血しているのだろうか?
俺「この腕の血、まさか……貴方が……」
那奈「まさか、私は貴方の治療をしてただけ。」
俺「え?」
よく見ると右の脇腹付近にも絆創膏が貼られていたり、左手の甲には包帯が巻かれていた。
俺「何でこんなことに…?」
那奈「あれ……」
彼女が指を指した場所はあのテナント募集の古いビル。
そこには4体の赤黒い骸骨が床に座ったような状態で座っていた。
その骸骨の頭にはスパナやガラス片が刺さっており、何か異様な雰囲気を漂わせていた。
俺「まさか……」
那奈「そのまさか……」
俺「巻き込まれたのか……俺は……いや、巻き込まれるのか……?」
那奈「それは貴方次第ね。」
そういうと彼女は去ってしまった。
そしてそのまま俺は目を覚ます。
奈穂子「寝不足?」
俺「あ、あぁ……寝てしまったのか……」
奈穂子「授業中ぐらいシャキッとしないと。」
奈穂子に怒られてしまった。
授業後のこと、俺と奈穂子は二人で帰ることになった。
電車の中、俺は授業中に見た夢のことを彼女に話した。
奈穂子「アンタの腕から出血、で、それ以外にも包帯やら絆創膏が貼られていたと…」
俺「場所も今朝見たあのカラスの死体が発見されたビルの所。」
今回見た夢の話に加えて昨日の夜見た夢のことも一緒に話した。
奈穂子は難しい顔付きになり、重い口を開く。
奈穂子「アンタが見た夢の後に今朝の事があったことを考えるとアンタが見た夢は予知夢若しくは正夢ってことになるのかしらね。」
俺「俺、大丈夫かな……?」
奈穂子「アンタ次第でしょ?それは。」
奈穂子のが言った一言が夢で遭遇した女性、枯峯 那奈と同じものだった。
俺次第…一体何をしたらいいのだろうか?
電車から降りてそのまま歩き出す二人。
既に夜、学校帰りは勿論仕事帰りの人達で溢れかえっている。
奈穂子「じゃ、私こっちだから。また明日。」
俺「あぁ、じゃあな。」
奈穂子「良二……」
俺「ん?」
奈穂子「気を付けてね…」
奈穂子は心の底から心配そうにそう言って別れた。
俺(何事も無ければそれで良いが……)
内心俺は心配で仕方がなかった。
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