コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
声だけ、名前だけで、その感情を伝えた日から数日、ある日の午後。書斎での密談中――
「……ヴィクトール、ですからそれは――」
「ハイネ、君の言う通りだ。私が――」
「………………」
「………………」
「……今、私たち、“名前で”呼び合ってなかったか?」
「バッチリ呼び合ってましたね。」
「……だれも聞いてない、よな?」
「……いや、さすがにこの時間は――」
バァン!!!!!
「やっほ〜〜〜、センセー!さっきから聞こえてるんだけど〜〜!」
リヒト、爆誕。
「“ヴィクトール”って!“ハイネ”って!なぁにそれ〜〜?ロマンティック〜〜!」
「落ち着けリヒト、まずはノックをだな」
そこへカイ、ブルーノ、レオンハルトもわらわら登場。
「えっ、えっ、いや、あの、これはですね……」
「せ、政務の都合で、あくまで呼びやすさをだな……」
「父上、“ハイネ”って、優しく、呼んでた…」
「“君の言う通りだ”って、僕聞いたぞ!!!」
「うおおおおお師匠が、父上が……え、え、ええええっっ!!」
ハイネ、絶望。
「……もう、国外逃亡してもいいですか?」
「その際は私も同行しよう」