食べ終わった食器類をシンクに二人で並んで洗っていると新婚感が凄くてなんだか照れてしまう。 隆ちゃんの身体にたまにぶつかる肘は常にドキドキしっぱなしだ。洗っているお皿を落とさないよう気をつけながらも私の身体はずっと高鳴りを止めなかった。
新居の初めて入るお風呂。ホワイトを基調とした壁は一面だけグレーの石柄、シャワーや洗濯物をかける為のパイプ、タオルかけでさせメタルなのできらびやかで高級感がある。このお風呂は物件を決める時に二人とも凄く気に入った所でもある。
お風呂の準備もいつの間にかされていて、湯船にたっぷりのお湯がはられていた。シャンプーやリンス、ボディーソープなどは隆ちゃんがあらかじめ用意しておいてくれたものを使う。
(本当何から何まで準備してもらっちゃってる気がする……気がするんじゃなくて、してもらっちゃってるよね)
シャンプーの香りは隆ちゃんからほんわか香ってくる匂いと一緒で、鼻からも幸せが舞い込んでくる。隆ちゃんと同じ匂い……なんだか少女漫画みたいだなぁ、なんて感動してしまった。
鏡に映る自分の身体はもう処女じゃなくなったのか、としみじみ眺めてみるが特に見た目は何も変わらない。念入りに身体を洗い、肩までお湯に浸かる。ホッとひと息つくと隆ちゃんとの朝の濃厚な時間を思い出してドクンと心臓が痛くなる。
愛用している白のワンピースタイプのパジャマを身につけリビングに戻るとソファーでうたた寝をしている隆ちゃんが目に入り、静かに近づき隣に腰を下ろした。
私に気づき隆ちゃんは優しく目を細める。
「ちゃんと湯船に浸かってきた?」
「うん、次隆ちゃんもどうぞ」
もそっとソファーから立ち上がり、お風呂に向かっていく。その隙に私は自室に入った。開けた瞬間に香る本の匂いに癒され、とりあえず一冊手に取る。
「はぁ、良き〜」
どんなジャンルも好きだけどやっぱり溺愛系が一番好き。甘い言葉を囁かれてエッチするとか、恋する女性が夢見るシーンと言っても過言ではない。
(こんなイケメンのスパダリに甘々にされたら蕩けちゃうよ〜、いや、でも隆ちゃんもイケメンだし、今のところ料理もできてスパダリな気配、いやでも社長とか御曹司ではないし、ぷちスパダリ? かな)
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