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先輩との出会い
「藤堂先輩ってカッコイイよね〜」
「あ〜部長さん?」
「うん、テニスが上手でカッコ良くて、優しいんだよね」
友達の美樹が言う
「そうなんだ……」
特に気にも留めて居なかった舞は、とにかくテニス部で頑張らなきゃ!と、ただただ、そう思って、
まだ1年生だから、まともな練習も出来ず、ボール拾いをしていた。
『もう少し頑張れば、ボールを打てる!』
ただ、それだけを思って……
『いつになったら、ラケットを触らせて貰えるんだろう』
徐々に不満に変わっていった。
ある日、片付けをしている時に、声を掛けられた。
藤堂先輩だ。
「お疲れ様」
「お疲れ様でした」
「どう慣れて来た?」
「あ、はい」
「ん?なんだか元気がないね?」
「分かっています。まだ1年だから……でも、1年生は、いつになったら、ラケットを握らせてもらえるのですか?」
藤堂は、いきなりの強い口調に驚いた!
「あ、そっか……まだボール拾いばかりじゃ、楽しくないよね」
「はい、私はボールを打ちたくて、テニス部に入りました。」
「ハハ、そりゃあそうだよね。ごめんね、1年生の気持ちも考えないで……」
「あ、いえ、生意気なことを言ってすみません」
「いや、古いやり方は排除して行かないと…
貴重な意見ありがとう」
「こちらこそ、ありがとうございます。よろしくお願いします。」
「うん!でさあ〜もうちょっと話さない?」
「え?」
「帰り一緒に帰ろうよ。門で待ってるから……」
「え?」
「じゃあ、あとで……」
これが、亮と初めて話した、やり取りだ。
「舞!大胆だね〜」
「だよね〜どうしよう?怒られるのかなぁ?
説教されるのかなぁ?」
「いや、違うでしょう?舞、マジで言ってるの?」
「え?」
「それは、もう今から告白されるよ、きっと……」
「え?は?えーーー?そんな…まさか…」
「あ〜あ、私の憧れだったのになぁ〜仕方ない!
舞になら、譲るよ。
健闘を祈る!じゃあ、邪魔者は退散するよ。
明日、報告してよね」
「ちょ、ちょっと……美樹!」
「じゃあね〜チュッ♡バイバ〜イ」
周りは、真っ暗。
美樹に置いて帰られたから、1人で帰るのも怖いし……
門で待ってるって言われたし……
門を通らないと帰れないし……
さっきから、私は誰に言い訳をしてるのだろう
「あ、お疲れ〜!」
「お疲れ様でした」
「家どっち?」
「〇〇スーパーの近くです」
「そっか……じゃあ、こっちから帰ろう」
「あ、はい」
歩き初めて、私は、なんて大胆なことをしてるのだろう?と思った。
今、一緒に並んで歩いている人は、人気のある
テニス部の部長さんだ。
『うわーどうしよう?しかも、意見しちゃったよ』
「新田さん?」
「あ、はい、すみません」
「舞ちゃんって呼んでもイイかなぁ?」
「え?あ、はい、お好きなように〜」
「ふふ、お好きな……って……」
「あ、すみません」
「舞ちゃん、彼氏居るの?」
「いえ、居ないです」
「じゃあ、俺と付き合って!」
「えー!え?」
『ホントに美樹のいう通りになった。あの子は、予言者か?』
「え?どうして、私なんかと?」
「ん?どうしてって、好きだから!」
「グッ」なんか、変な音を出してしまった
「あ、すみません、驚きすぎて……」
「どうして?舞ちゃん可愛いし、一生懸命だし、自分をしっかり持ってる。そういうとこ、好きだよ♡」
「え?えーえー!うわーそんな、藤堂さんみたいな人が私なんかと……」
「なんで?俺じゃイヤ?」
「イヤとか、あるわけないじゃないですか……
あ、いや、そうじゃなくて、勿体ないです。私なんかと……」
「そんなこと言わないでよ、このままじゃ俺、キミにフラれるよ」
「あ、いえ、そんな恐れ多くて……」
「嫌いなわけじゃない?」
「あ、はい、いえ、そんな……好きです」
「プッ」
藤堂は、公園で立ち止まり、そっと舞を抱きしめた。
「可愛い〜♡」
「え?あ〜」
「大好きだよ」チュッ
『ん?何?私、今何をされた?え?キス?』
「えーーー!いきなり」
「あ、ごめん、つい可愛いくて……」
「やっぱり、今、したんですよね?」
「分からなかった?じゃあもう一度」
ハッキリと分かる、優しくて素敵なキスをした
そして、恋に落ちた♡