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ネーミングセンスゥが異次元なほどに卓越しとるんですがなに!? "味覚は人を選ぶのか"って!神作の予感しかせんわ!!!ぬぉぉぉぉぉぉぉ😱😱😱😱😱😱
ケーキバースかと思ったけど苦いはなんなんだ.ᐣ
あ、Prologからいい物語の予感しかしません。めっちゃ続き楽しみにしときます✨️
苦い。
辛い。
酸っぱい。
しょっぱい。
この味覚は誰もが持っている事だろう。
「シェフ、また料理の研究ですか?」
jp『…うん、まぁね』
勿論、一流シェフなら尚更の事。この仕事を持って随分経つが、その名は折れず俺はまだ現役として活躍している。料理人にとって料理は人生そのもの。天秤にかける代物だ。勿論俺もその事は理解している。
だが、俺には足りないものがある。
jp『……………今日もか…』
俺は〚甘さ〛が分からない。生まれた時からこの味覚だけは欠陥していた。クッキー、プリン、シュークリーム。…そしてケーキ。
誰もが〚甘い〛と感じるものを俺は感じれない。感じ取れないのだ。
jp『……作りすぎたな』
机に広がるのは作るだけ作った〚甘い〛ものたち。厨房は〚甘い〛匂いで溢れているのか、分かる者は誰一人いない。〚甘い〛の代表であるクリームを視界に捉える。俺はその感じ取れない味を、また口に含むのだ。
jp『……………分かんないな』
甘い。
辛い。
酸っぱい。
しょっぱい。
この味覚は皆生まれつき持っている。
「あれ?また新作作り?」
tt『おう!今回はタルトにしてみたで!』
まぁパティシエにとっては当たり前の事。いつだって厨房にはクリームやクッキーの甘い匂いが漂うのだ。俺はここのケーキ屋の店長。まだ店を持って日は浅いが、長年の夢であった自身の店を持てた。今はまた店に出す為の新作ケーキに奮闘中。
「ん〜、いい匂い!シナモンが効いてるね!」
tt『ちょっと甘さが濃すぎたかもな』
「でもこの味だったらコーヒーとか苦いものが合いそう!」
tt『…コーヒーか』
だが、俺には足りないものがある。
俺は〚苦さ〛が分からないのだ。生まれた時からそうだった。カカオやブラックチョコ。…そしてコーヒー。誰もが〚苦い〛と感じるものを俺は感じれない。感じとれないのだ。
「良かったらあげるよ、口つけてないし」
「研究頑張ってね〜」
バタンッ…
tt『………………』
机に置かれた缶コーヒー。俺は手に取り蓋を開け、その感じ取れない味を、また口に含むのだ。
ゴクッ……
tt『……………分からへんな』
俺は〚甘さ〛を知りたい。
俺は〚苦さ〛を知りたい。
この欠けた味覚の一部を。
一度で良いから知りたいんだ。
【味覚は人を選ぶのか】
続く…
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