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やっと出会ったもっくんと涼ちゃん。
どんな風に進むのでしょうか?
「はっ恥ずかしい!めちゃくちゃな演奏だったのに〜。お願い忘れて!」
「そんな事ないよ。途中までだったけどほとんど合ってたし」
泣きそうになっている彼にそう言うと、その言葉に不思議そうにこちらを見てきた。
「…?あれ?君ってもしかして入学式典で今の曲歌ってた子?」
「うん、そうだよ」
「すごい!俺さぁ、あの時、君の歌聞いてファンになっちゃったんだ」
彼は底抜けに人の良さそうな顔で微笑みながら俺の手をギュッと握ってくる。
「あっ、ありがとう」
「俺、音楽科3年の藤澤涼架って言うんだ。君の名前は?」
近くに見えるきれいな笑みにちょっとドキっとしてしまう。
「俺は大森元貴。国文科の1年」
「へぇ。大森くんか。よろしくね」
「…今の曲、どうやって覚えたの?」
不思議に思ってたずねてみる。
「聞いたことない曲だったから、帰った後すぐ譜面におこしてみたんだ」
やっぱりそうか。なんだかそこまで気に入ってくれたのかと嬉しくなった。
「だから間違ってても許してね。あれって君のオリジナル?」
「うん、そう。今回の入学式典でやろうと思って作った曲なんだ」
「すっごくいい曲だったね。それに君の歌声すごかったよ。つい聞き惚れちゃった」
そうニコニコと褒めてくれる彼からは他の音楽科の奴らが向けてくるような不快な感じは全くしなかった。
なんだか無性に彼ともっと話してみたい気になった。
「藤澤さんってピアノ弾けるんだよね?」
「そりゃまぁ、ピアノは音楽科の必須だしね」
さっき楽しそうに俺の曲を弾いてくれていた姿を思い出す。
「ねぇ、俺のバンドに入ってよ。ちょうどキーボードが欲しいと思ってたんだ」
「えっ?俺キーボードなんか弾いた事ないよ?」
急に言い出した俺に彼はびっくりして目を大きく見開きパチパチと瞬きを繰り返す。
やっぱり可愛い。
自分より年上で背も高い男なのに彼の印象は最初から「可愛い」だった。
「大丈夫だよ。だってさっきも俺の曲弾けてたじゃない」
「でも、俺…」
「いいじゃん。とりあえず一回でいいから練習見にきてよ」
俺の猛勧誘にタジタジとなっている彼に俺は畳み掛けるように言葉を続ける。
「えっと名前は確か藤澤涼架だったよね?じゃあ呼びにくいから「涼ちゃん」で決まりね。俺の事は元貴って呼び捨てでいいから」
俺は思いついたら一直線。とにかく今は彼との縁を繋ぎ止めたい、その思いだけで突っ走っていた。
「ね?涼ちゃんお願い。俺の歌声好きなんでしょ?聞きにきてよ」
「えっ、あっ、…うん」
「やった!ありがとう。じゃあ約束だよ。涼ちゃん」
俺は勢いにおされつい頷いてしまったであろう彼に、ダメ押しのニッコリ笑顔で確約を取り付ける事に成功したのだった。
もっくん涼ちゃんに猛プッシュ猛アタック🤣
現実もこんな感じだったのかしら?と勝手に妄想してます。