コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意
桃水♀ タヒパロ
ジリジリと鈴虫がなく季節になってきた
あぁ…今年もやって来る…いや…
今年もやって来てしまう、あの季節…
俺が彼女を失ったあの季節…
それは2年前の事だった
彼女は病気を持っていた
その頃の俺は誰でも治る病気…
誰でも…手術すれば治る病気…
そう聞いていた……
だから、俺は……
「大丈夫」「帰ってくる」
そう思い続けていた
そんな俺の考えは砕け散った…
それは彼女の言葉だった
水:ないちゃん…話さなきゃいけないことがあるの
桃:なに?そんな改まって?
水:実はね…僕、癌なんだ…
桃:……は?
水:しかも…もう手遅れの…
桃:う…そ………だよね?
水:嘘じゃ…ないのッ…
桃:そん…な…
水:もう、会えないって考えるとね…
水:涙も止まらなくて…ッ…
桃:……大丈夫だよ…だって…
桃:残った時間で楽しい時間を過ごそうよ
水:!………そうだね…
水:よーし!これからは沢山思い出作るぞ〜!
桃:お〜!
“思い出を作ろう”それは俺の現実逃避だ…
あいつとの時間はあっという間にすぎていって
遂に…来てしまった……
医師:残念ですが…ほとけさんは…
それを聞いた瞬間…俺は膝から崩れ落ち…
周りの目も気にせずに泣いた
泣いて、泣いて、泣き続けた
そして……俺は……
やっと…君と同じ所に行けそうです
それと同時に俺の願いも叶いそうです
それは、君に会うっていう事です
何故なら…俺は君と同じ癌になりました
あと残りは1週間…
きっと…向こうに行っても君は…
明るくて太陽みたいな人だろうと思います
そしてこの想いが君に届いてますように…
ただ…それだけを願って……
拝啓、あの頃の俺と天国の君へ