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不破視点
次の日の放課後、俺は生徒会室に呼ばれていた
部活は休みだったから、別に急ぐ必要はなかった
ただ…
〔ごめん!ふわっち!生徒会の仕事任せちゃうけど…〕
叶さんは地域のボランティアに参加しなければいけないらしく、それに葛葉がついていくらしい
結果、生徒会室に俺と三枝、二人で残ることになってしまった
「全然平気です」
〔あきなもごめんね!今度なんか奢るから!〕
『奢るなんてそんな…気にしないでください!』
そういって、彼は二人に笑顔を向けていた
「…」
二人が生徒会室をでた後、しばらくずっと、無言のままの作業だった
さすがに俺も集中が切れてきたっぽい
「…ちょっと購買でなんか買ってくるけど、いる?」
『あ…大丈夫です』
「そ」
俺は席を立って、早足で購買に向かう
別に急ぐ必要はないのに、すぐ帰ったら仕事がたくさん待ってるだけなのに
<あれ?不破くん?>
「…ゆきさん?」
俺に声を掛けたのはクラスメイトのゆきさんだった
<奇遇だね、生徒会の仕事?>
そうやって、一歩、一歩と近づいてくる彼女
「ちょっとな、今度体育祭もあるし、文化祭だって、もうすぐあるから」
<大変そうだね…なにか手伝えることがあったらいつでも言ってね>
そうやって笑い掛けてくれるゆきさん
「…ありがとう、嬉しいよ」
俺は自分が本心からありがとう、といってしまったことに少々引っ掛かりを覚えつつも、すぐに分かれた
購買ではジュースとお菓子を買って、買わなくていいといわれていたが、三枝ようのお菓子も買っておいた
食べなかったら俺が食べればいいし
もうすっかり外は暗くなっていた
叶さんと葛葉が出てからもう既に3時間が立とうとしていた
そんなに仕事したのかとため息が出るほどだ
「…ただいま」
そういって生徒会室の扉をあける
…が、返事はなかった
別に返事を求めていたわけではないが
俺の机にどっさりと積まれていた書類も、俺がいない間に半分も減っていた
その代わり、三枝の机にさらに多くの書類が積まれていた
「俺の仕事だけど?」
『あ、帰ってきてたんですね、迷惑ならお返ししますけど』
こいつは俺に振られたわりには元気で、別に気まずいとかないっぽい
「はいこれ、食べたかったら食べて」
『え、ってかこれ、新作の味じゃないですか!?なんで…』
「君の鞄にそれのキーホルダーがついてたから、要らなかったらいい」
『…見ててくれるんですね、ありがとうございます』
そして彼はお菓子の袋をあけ、ひとつ食べたあと、またすぐ、仕事に取りかかった
俺はそれを横目にみながらジュースを飲む
正直、何がそこまで頑張らせるのか分からない
「…嘘っぽい笑顔が嫌い」
気づくと、俺は口にしていた
彼はそれに気づき、目を見開いてからこっちをみていた
そして数秒考え込んだあと…
『…そんなことないんですけどねぇ、嘘っぽくはないですけど』
そういって、困ったように笑った
やっぱり、苦手な笑顔だった
「…」
俺もそろそろ仕事しようと机に向かう
難しいんだよ、よく分かんない書類に目を通しながらひたすら判子押すだけなんて
叶さんはすごい、めっちゃ尊敬する
あの人ができないことって逆にあるのかって感じ
『…』
横で黙々と書類に目を通してる三枝がすごいと思う、叶さんも、実際こいつが来て助かってるわけだし
そのとき、机に置いていた俺と三枝のスマホが震えた
お互い同じ動きをし、生徒会のグループラインをみる
そこには
“〔二人とも、長くなりそうだから帰ってていいよ~!俺と葛葉も現場からまっすぐ家に帰るから!あ、生徒会室は開けてても大丈夫だから!〕”
とのこと
俺らはリアクションだけ返して、スマホを置く
俺が帰る準備をしだすと同時に、三枝は、また机に向かっていた
「…え?まだ帰んないの?」
『あーっと…もうちょっと、仕事して帰ろうかと…』
「もう暗いけど」
『…あと少ししたら帰りますから』
「親が心配すんじゃない?」
『俺独り暮らしなんで平気です』
ああいえばこういう…
『不破先輩は上がってください!俺はだいじょうぶなんで!』
「…じゃ、言葉に甘えて、」
俺は軽く挨拶をかわしてから、すぐに帰った
校門をでたところで振りかえると、まだ生徒会室の電気はついていた
消えるまで待っていると、10分後ぐらいに真っ暗になった
「全然少しじゃないっての、馬鹿かよ」
鉢合わせしなように、できるだけ、俺は早足で帰った