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昨日、僕の仲間が亡くなった。
その日は彼は出勤していた日だった。
出勤終わりにみんなでご飯を食べに行こうとしていた時だった。
突然、彼は倒れ込んだんだ。
すぐに救急車に運ばれた。
病院に運ばれる途中、みんなで必死に彼の名を呼んだ。
だけど病院に向かう途中で、心臓が止まったことを知らせる警報音が鳴ったんだ。
彼は、息を引き取っていた。
そして翌朝。
死因は脳梗塞だと告げられた。
30歳、これから更に色んなことが広がっていく年齢だった。
今の時代、若い人が脳梗塞で突然なくなるのは珍しくない。
大切な人が亡くなった事実はあまりに現実離れしすぎて僕は、涙も出なかった。
嘘だ、、、昨日まであんなに笑顔で話していたのに。
あんなに普通に接していたのに。
報告を受けて、僕はふと彼の部屋へ向かった。
出入りしていた時の合鍵を持ち、彼の暮らしていた部屋へ。
部屋は、前に来た時と変わらなかった。
彼らしいこだわりの詰まったPC周り。
筋トレ用の小さなバーベル。
微妙にまとめ忘れてる洗濯物。
もしかしたら、彼が帰ってくるんじゃないか。
僕は彼の使っていた布団の中に入り込む。
まだ、君の匂いが残っている。
優しい匂い。
一緒に眠ったよね。
二人でご飯も食べて、ゲームして、、、
なのに、君がいないなんて嘘だ。
そう信じたい。
玄関を覗いてみる。
だけど、いつになっても扉は開かない。
扉が開いて、玄関から声がする。
そして、
(「けちゃお、来てんのかー?」)
と気だるげに僕の名前を呼ぶ。
そんなの、聞こえないはずなのに、いつもの光景と重ねてしまった。
ねぇ、まぜち。
今日も僕はここにいるよ。
キミに会いたくてきちゃったよ。
僕は、彼の布団にくるまって静かに涙をこぼしていた。
そして、声をあげて泣いた。