テラーノベル
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あははははフィロスのお話はーと
自室のベッドの下でガタガタ震える。白いワンピースだけ着て、うずくまって外の様子を伺う。膝には擦りむいた痕を隠すように大きな絆創膏が貼られている。部屋の外から足音が聞こえる。怖くて涙が溢れる。小声で祖母を呼ぶ。助けて。
扉が開く。
廊下の明かりが部屋に差し込む。それを遮るように男の影が落とされる。
私を呼ぶ声が聞こえる。
裸の養父が部屋に入ってくる。
ベッドの下にいる私を引き摺り出そうと手を伸ばしてくる。
またあの夢。
もう思い出したくないのに。
冷や汗をぬぐい、機械の体の冷たさを感じて安堵する。
気分転換にお気に入りのハーブティーでも飲もうとキッチンの棚を開けた。しかし茶葉はほぼ残っていなかった。
丁度良い、あそこの店たしかモーニングやってたはずだから、茶葉買うついでに朝食もとろう。
いつもの道を通って行きつけの飲食店に入る。
カウンターに若い男の店員がいる。僕は彼に向かって手を振って声をかけた。
「おはようミテリくん!」
青年は僕に気づくと優しく微笑んだ。
「おはようございます、フィロスさん。」
カウンター席に座ってモーニングセットを注文した。
ミテリくんが厨房に注文を伝えると、僕の正面に移動してきた。
「珍しいですね、フィロスさんが朝に来るなんて。」
「茶葉ほとんど残ってなくてさー。買ってくついでにモーニング試してみようと思って!」
そうですか、とミテリくんは言って、そのあとはいつも通り雑談をして料理を待った。
しばらくするとミテリくんが料理を持って来てくれた。サンドイッチとサラダ、目玉焼き、スープ、あとハーブティーが出された。
ハーブティーから口をつけた。正直まだ悪夢で心が掻き乱されたままだったから、出来るだけ早く落ち着きたかった。
ミテリくんのハーブティーは香りはもちろん味もいい。一口飲めばだいぶ心もマシになる。良好な気分のままサンドイッチ等々他の料理にも手をつけ、食べ終わる頃にはいつもの明るい僕に戻っていた。
「フィロスさん、顔色悪かったの治りましたね。」
「あ、マジ?僕顔色悪かった?」
「はい。また件の夢ですか?」
「そうなんだよねぇ…厄介なもんだよ、トラウマって。」
ミテリくんは少し心配そうな表情を見せたが、すぐにいつもの優しい微笑みに戻った。
「相談、のりますからね。」
その優しさが嬉しくて、僕も自然と微笑んだ。
「ありがと。」
いつも通り、茶葉の入った袋を買って、僕は店を出た。
ミテリさん:おちゃづけ鮭味さん宅の子
なんか設定違いとかあったらすみません…🙇
コメント
14件
うちの子だ~!!書いてくださりありがとうございます☺ ミテリ...😍
うぅ......うちよそに私の子だしてくれますか...?
どっちも可愛すぎて手に持ってるスマホ粉砕した