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『○○の浴衣姿を見られる特等席。』
ある暑い夏の日。
クーラーのきいた部屋で、2人はスイカバーを食べながらだら〜っと過ごしていた。
「ねぇ、なんか夏っぽいことしたいね」
あなたがふと口にすると、元貴がスマホで何かを見ながら、
「……じゃあ、今週末、空けといて」
「え?なんで?」
「○○を夏祭りに連れていきたい」
「…えっ…!」
「だって、絶対似合うと思うんだよね。浴衣とか」
とびきり真顔で、ふつうにド直球で照れずに言うから、
こっちが恥ずかしくなって、スイカバーがポロって落ちた。
そして、夏祭り当日。
待ち合わせ場所に現れたあなたを見て、
元貴の目がふわっと大きくなる。
「……ちょっと待って、それ反則」
「えっ、なにが?」
「似合いすぎて、もう帰りたくなくなった」
いつもよりほんの少し照れて、でも優しくて、
あなたの髪飾りを直してくれる手がちょっと震えてたのは、たぶん気のせいじゃない。
人混みの中、ふたりで手をつなぎながら屋台を回る。
たこ焼き、お面、ラムネ、金魚すくい…
「ねえ、ほら見て!射的あるよ!」
「え、じゃあ僕、○○のために当てる」
子どもみたいにはしゃいで、
景品のちいさなぬいぐるみを取ってくれた。
「はい、賞品。今日の記念」
(…もう好きが溢れそう)
そして、花火の時間。
肩を寄せ合って、夜空に咲く大きな花を見上げる。
ドーンッて音と一緒に元貴がふと、つぶやいた。
「浴衣も、笑った顔も、全部今日だけの○○。
……僕だけが見られてるの、ちょっと特別で嬉しい」
「…なにそれ、ずるい」
「でしょ。今夜はちょっとずるい僕でもいいかなって思ってる」
花火が終わった帰り道、
2人はずっと手をつないだまま、ゆっくり歩いた。
来年の夏も、再来年も、
こうして隣にいたいなって、自然に思った。
『ディズニーランドで、○○と魔法にかかる日。』
朝。開園時間ちょっと前。
舞浜の駅に降り立ったあなたを待っていたのは、
ラフなチェックシャツにメガネ、そしていつもの優しい笑顔の彼・大森元貴。
「おはよ ○○。早起きえらかったね」
「うわぁ…もうその一言で報われたかも…」
「じゃあ、今日の○○には100個くらい報いをあげようかな」
なんて甘い言葉で始まった、2人の初ディズニーデート。
【午前】
まずは、スーベニアショップ。
お揃いのミッキーのカチューシャを見つけて、
「これつけたら、もっと夢の国っぽくなるんじゃない?」
なんて言って、そっと頭に乗せてくる。
「似合ってるよ、僕のプリンセス」
「うそぉ……」
「ほんとだし。もう帰りたくなくなるじゃん、こんなの」
そして向かったのは、元貴リクエストの
「ホーンテッドマンション」
「こういうの苦手だったら言ってね」
「怖いの大丈夫だけど…隣にいてくれるなら」
「もちろん。今日の僕の役目は、“○○の隣”だから」
ちょっとだけ手を繋いだ指先が震えてたの、バレてないと思ってるけど、しっかり気づいてた。
【ランチ】
元貴はポテトを一本、あなたの口元に差し出して、ニヤッと笑う。
「ねえ、あーんしてみて。インスタに載せないからさ」
「載せる気だったの!?」
「うそ。僕の目にだけ焼き付ける用だから安心して?」
(…やっぱりズルいな、この人///)
【午後】
ちょっと疲れてきたから、ベンチで一息。
ジュースをストローで飲みながら、ふとあなたの肩に頭をコトン。
「○○の隣、落ち着くんだよね」
「えっ…まって、心臓がうるさい」
「聞こえてるけど、可愛いからセーフ」
元貴の声、風の音、パレードの音楽。全部が魔法みたいだった。
ミッキーと一緒に撮った写真、
あなたがスマホで確認してると 横からのぞいてくる元貴。
「ねぇ、この写真さ、なんか…僕たちほんとにカップルっぽくない?」
「……ぽく、じゃなくて“本当に”だし」
「…あーもー可愛い、今のその返し、写真撮っていい?」
どさくさに紛れて、あなたの頬にチュッ。
【夜】
シンデレラ城の前。ライトアップされた世界で、
あなたの手をとって、正面から見つめてくる元貴。
「今日、一緒に来てくれてありがとう。
こんなに楽しいなら、毎月来たいくらい」
「え、そんなに?」
「うん。……だってさ」
「?」
「○○といると、どんな場所も夢の国になるから」
まるでエレクトリカルパレードみたいに、
胸の中がキラキラでいっぱいになっていった。