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どうも、nanaha.です。

第五話、早速どうぞ。



「眠…。」

昼休みの教室はちょうどよい暖かさで、気を抜くと寝てしまいそうだ。

…まあ、昨日徹夜したのもあるんだけど。

ちょっとくらい良いか、と思い顔を伏せる、と。

「天羽いるか〜」

設楽先生の声が教室に響いた。

「あ、はい。」

慌てて顔を上げて立ち上がる。

「ちょっと別室来れるか?」

何故に今、という思いを飲み込む。

「了解です。」


「この前の課題、すごい良かったぞ。」

「この前…って何でしたっけ?」

「当の本人が忘れんなよ…。あの、インドの子どもについてまとめたやつだよ。」

あぁ、あれか。

調べていて、胸がぎゅっとなって。

日本に住んでいて、忘れてしまいそうなことを書き留めるためにも、まとめるべきだ。

と思った。

「それでだな、一つ提案があるんだが。」

「提案…?」

先生の言おうとしていることが読めなくて、思わず首を傾げる。

「夏休みに行われる、このプログラムなんだけど。」

そう言いながら、一枚の紙を差し出される。

「これは…?」

「今年からこの学校、発展途上国に留学するプログラム始めたのよ。よかったら天羽、やんないか?」

これまた急な…。

夏休みは塾やら旅行やら、極限まで予定が詰まっている。

「申し訳ないんですけど、お断りさせていただいても…?」

「お前、こういうときだけめちゃめちゃ敬語になるな…。まあいいけど。」

意外とすぐに受け入れてくれたことに拍子抜けする。

「じゃあ、これ以上要件がなければ。」

「ほんとに合理主義っていうか、取捨選択が早いっていうか…。」

若干呆れられるが、仕方ない。だってそうしないと、この社会やっていけないんだから。

「それでは、失礼しました。」

「…お前が行きたくないなら無理強いはしないけどな。」

設楽先生がボソリと言う。

「優等生な天羽も、たまにはやりたいことやっても良いんじゃないか。」

「…」


プログラムの紙、持ってきちゃった…。

紙を頭上に掲げ、ため息を付く。

「やりたいことって言ってもな…。」

実際、興味がなかったわけじゃない。

インターネットで見聞を深めるのも良いけど、やっぱり目に映すことが大事だと思う。

「…。」

階段を降り、リビングにいる父さんに声を掛ける。

「ねぇ、お父さん。」

「ん、なんだ?」

紙を父さんに差し出す。

「僕、これに参加したいんだけど。」



お読みくださりありがとうございました。

良ければフォローといいねお願いします。

また次のお話でお会いしましょう。

君は平和を求め、僕は幸せを知らない。

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