テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
868×gt🔞無し
何でも許せる人向け
よく分からんシリアス
ぐち逸は可哀想な目にあうのが似合ってるよね、、、
夕コの一人称が分からなかったから俺にしてます。
『』→ぐち逸
「」→ぐち逸以外
ぐち逸視点
『えっ』
「ぐち逸さん、、、⁉︎」
ビルの屋上に位置するカニメイトでご飯を買った。
ダウン通知が来て店を後にしようとする俺に成瀬力ニは「下まで一緒にいきましょ」と言って付いてきた。
夕方の冷えた空気、澄んだ空にオレンジの夕焼けが綺麗だった。
カニメイトは景色が良く見える。
夕焼けに見入って柵のギリギリに2人で立つ。
「きれいですね〜」なんて言われて私は何も返さなかった。
その時なぜか夕焼けじゃなくて遠くに見える地面を見ていた。
この高さから落ちれば確実に死ぬんだろうな。そんな当たり前のことを考えた。
ぼーっとしているうちに周りの音が聞こえなくなる。
視界の真ん中以外がモヤで見えなくなって遠い地面が近く感じた。
体の感覚がない。まるで夢の中のようだった。
気づいたら宙にいた。
自分の『えっ』と言う声が他人事のように聞こえる。
苦しいほどに空気圧を感じて、心臓が鋭く音を立てた。
どんどん上がっていくスピード、迫ってくる地面。
目に入る空があまりに綺麗で、肌にあたる冷たい風が気持ち良い。
強くデジャヴを感じた。
この感覚を知っている。どこか懐かしいようなこの何にも変え難い感覚。
初めてじゃない。
前、、、記憶を失う前、私はこの経験をしている。
頭が痛む。
今まで知りたいなんて思わなかった自分の過去と嫌でも対峙している。
私の過去って、前の私ってなんだっけ。
成瀬力二視点
下から小さく聞こえたドンッと言う音が今もたまにどこからか聞こえる。
脳裏に張り付いたあの姿。
そして耳に残り続ける落下の音。
トラウマになったそれは意地悪に俺を脅かす。
あの後呆然と立っていたら救急車のサイレンが聞こえてハッとした。
急いで下に降りたけどぐち逸さんを乗せた救急車は既に遠くにいた。
後を追って病院に行く途中動揺と焦りから何度も事故を起こした。
そうしてやっとの思いでついた病院には元気に松葉杖をついてるぐち逸さんがいた。
当たり前だし分かっていたはずなのにやけにホッとしたしどこか違和感を感じた。
ぐち逸さんが生きていることが奇跡のように感じた。
なぜかそれだけ脆く弱い存在だと脳が認識している。
『カニさん、すみません。突然飛び降りたりして、、、』
包帯でぐるぐる巻きにされ、松葉杖をついたぐち逸さんが眉を下げて言った。
「もう、、、しないでください」
それしか言えなかった。
それを言うべきだと思った。
故意じゃないと焦るぐち逸さんのことを信用できなかった。
もう、あんな姿は見たくない。
そう思ったはずなのに脳裏にチラつくあの姿。
ああ、今日も寝れない。
【力二へ
最近警察に身が入っていない?街であんたの姿を見ない。
何かあったなら教えてほしい。姉の私にできることがあるならなんでもする。】
朝起きるとそんなメールがスマホに届いていた。
姉でありギャングであり、ぐち逸さんの仲間である夕コ姉さんからのメール。
姉さんに迷惑をかけるわけにはいかない。
でも、ぐち逸さんのことが気がかりであることを伝えるのは悪くない気がする。
【姉さん、メールありがとう。
僕は元気にやっているよ。ただ、一つ気がかりなことがある。
ぐち逸さんのことなんだけど、会って話が出来ないかな?】
【もう警察署前にいる。】
「はやっ」
姉の返信を見て急いで身支度をする。
顔を洗ってとりあえず服だけ着替えて家から飛び出た。
寝癖ではねた髪はペンギンのマスクで蓋をする。
自慢の車で警察署まで飛ばすと署前にはピンクの日の光を反射して綺麗な光沢を作っている車があった。
自分の車から降りてその車の窓を叩く。
「久しぶりじゃーん。乗りなよ。」
「姉さん、会えて嬉し、、、」
「なあーぐち逸の話って何?」
再会を喜びながら助手席に座ると圧のある声が後ろから俺の言葉を遮った。
後部座席を振り返るとバケハを被った長髪の男が偉そうに座っている。
「、、、はあ、、、。姉さん、2人で話がしたかったんだけど。」
「レダーに聞かれてまずい話なんてしないじゃん?教えてよ。」
姉さんはそっちの味方か、、、。
俺は姉とレダーを交互に見てから一つため息をついて視線を窓の外に移す。
車を出してもらって少しの沈黙の後口を開く。
「ぐち逸さんってさ、よく怪我する?」
「んー、、、してる、かな?」
曖昧に答えるレダーに顔を顰める。
想像していたよりぐち逸さんのことを知らなそうだ。
「まあ常に包帯巻いてるイメージあるな。あいつ無理するくせに自分の治療適当だからな。」
「なるほどね、、、。」
「おい勝手に納得してない?」
「じゃあ自傷行為をしているのを見たり形跡を見つけたことはある?」
レダーを無視してそう聞くとキキーッと嫌な音を立てて車が急停止する。
横を見ると鋭く暗い目で前を見つめる姉がいた。
沈黙の後ゆっくり口を開く。
「自傷行為をしてたの?」
低く唸るような声に俺は一度喉を鳴らす。
ふうと息を吐いてから話し始める。
「カニメイトからぐち逸さんが転落したのが10日前。その話は聞いてる?」
2人は首を横に振る。
「ただの転落じゃなかった。吸い込まれるように落ちていって、、、俺には自分から落ちたように見えた。」
後ろから深く息を吐く声が聞こえる。
姉の腕には血管が浮き出ている。
「ぐち逸さんは故意じゃないって言ったけど信用できない。だから会ったら体をよく見るようにしていたんだけど、、、」
俺は目を瞑る。
ずっと脳裏に張り付くのは落ちていく姿と、もう一つ、、、。
少し手が震えた。
「腕に、痕があった。、、、何度も、切られた痕が、、、。」
「リスカ、、、」
後ろから感情のわからない声が聞こえた。
俺は冷静になろうと深呼吸をする。
「、、、それが3日前。」
「転落が10日前、自傷の痕を見つけたのが3日前、、、」
「そう。、、、、、、姉さん、ぐち逸さんは、、、!」
はやる気持ちでそこまで言って口を噤む。
言わなくてもみんな思ってる。
「本人に話聞くしかないでしょ」
そう言った後に「車出して」と姉に言うレダー。
姉は一点を見つめたまま動かない。
「、、、力二。教えてもらったのに申し訳ないんだけどぐち逸とは私たちが話をする。、、、いい?」
良くない。なんて言わせない雰囲気に俺はひとつため息をつく。
「もう今から行くつもり?」
頷く姉。
久しぶりの再会だったのに話したのは5分にも満たない短い時間だった。
俺はしっかりと姉を見つめる。
「ぐち逸さんに自傷行為なんて絶対やめさせて。あと俺も“偶然”ぐち逸さんに会ったら話聞くつもりだから。」
今は2人にぐち逸さんを任せてもいいかもしれない。
俺の神経はすでにすり減っている。
この重荷をずっと抱えるのは無理だ。
「うん。絶対やめさせる。、、、ありがとう力二」
姉はそう言うとやっとアクセルを踏んで車を走り出させた。
成瀬夕コ視点
衝撃で頭がクラクラする。
レダーと2人きりの車内、信じられないくらい空気が重い。
トントントンとハンドルを指で叩く音だけが響く。
無線でぐち逸を呼び出して5分が経過している。
時間が経つにつれ比例する空気の重さ。
さすがに居心地が悪くて口を開く。
「警戒されたくないからさ、もうちょいいつも通りでいよう」
「、、、うん。あー、あー、あー」
声を出しながらトーンを調整する妙な真面目さが少し面白くて和む。
コンコン
窓を叩く音にビクッと肩が跳ねる。
一瞬ピリッとした空気に戻った後深呼吸をして空気を整える。
助手席のドアが空いてぐち逸が乗り込んでくる。
自然と視線が腕に行くのを必死に堪えた。
『どうしました?』
かわいく首を傾げる。
変な細工をしなくてもそれだけで空気が良くなる。
それなのに空気を悪くしている原因もこいつなんて皮肉な話だ。
「ちょっと走りながら話そっか」
言ってから言い方に圧があったような気がしてチラリとぐち逸をみると何も気にしていなさそうで安心する。
シートベルトを閉めたのを確認してアクセルを踏んだ。
『もしかして、、、警察を起こしてほしくないという話でしょうか』
恐る恐る聞かれてそんなこともあったなーなんて思う。
「それもそうだけど今日はその話じゃなくて、、、」
『そうですか。、、、もしかして、DEPの話ですか?』
「ううーんと、それも違くてね、、、」
こいつ色々と問題抱えてんな。
『もしかして、、、私のこと嫌いになったとか、、、もう仲間から抜けてくれ、とかですか?』
「ちがう。それだけは絶対にちがくて〜、、、」
なかなか切り出せずに曖昧な言葉ばかり紡ぐ。
タイミングを丁寧に見計らう俺を無視して痺れを切らしたレダーが口を開いた。
「お前って死にたがり?」
グッとハンドルを握る手に力が入る。
その言葉はあまりに確信を得ている。
『、、、はい?』
一気に顔を曇らせて怪訝な顔をするぐち逸。
一気に壁を作られた気がした。
今まで見たことがない曇りきった目が力二の話が本当であることを証明した。
「一旦さあ、腕見せてよ。」
もう遠回りをする気はないらしい。
空気作りなんて無駄だったと思うほど一瞬で壊れた“いつも通り”。
仕方ない。俺も覚悟を決めた。
路肩に車を停める。
左側を詰めて停めた車。
助手席側はドアを開けられない。
『、、、なんですか。趣味が悪いですよ。』
「それはこっちのセリフかな。」
『どういう意味ですか。やっぱりDEPに不満でも、、、』
話すのを無視して無理やり腕を掴む。
反射で瞳孔が開いたぐち逸の目を見ていられない。
勢いよく袖をまくると何本もの傷痕が白い肌によく見えた。
なければよかった。
自傷行為の痕なんて、なければよかったのに。
『っ、やめてください。こんな、逃げ場もなくしてなんのつもりですかっ?』
語尾が上擦っている。
焦っているんだね。
この行為が良くないことだって分かってるんだね。
「なんでこんなことするの」
『あなた達には関係のない話です、、、!』
声を荒げるぐち逸なんて初めて見た。
どんどん、壁が作られていく。
これまで培った信頼も友情も愛情もすべてが音を立てて崩れていく。
『離してください、』
必死に抵抗するぐち逸は非力で痛くも痒くもない。
「言わなきゃ外には出れないよ。」
感情のわからないレダーの声。
ぐち逸にあてられて、少し焦っていた俺はレダーの声で落ち着くことができた。
『っ、、、そうですか』
諦めたように声も力も弱くなる。
俺もぐち逸の右手を掴む手を緩めた。
カチッ
突然視界に入ってきたものに俺は反応できない。
掴まれている右手、そして黒い物体を突きつける左手。
10秒、いやそれ以上の時間が流れて俺はゆっくりと状況を理解する。
傷だらけのぐち逸の右手を離す。
そのまま両手をあげた。
俺に突きつけられているのは紛れもなくピストルだ。
使われた形跡のない綺麗な光沢の新品ピストル。
「ぐち逸、銃なんて持ってたんだ。」
レダーが言う。
『ええ、、、こう言う時のために、、、。』
ぐち逸は覚悟を決めた顔でピストルを握りしめる。
有利、だ。
2対1、相手は銃の持ち方もままならない震えた男。
こっちはギャング。
戦闘を想像すれば容易に勝つ自分達の姿が見える。
なんて、今は必要のない想像だ。
俺もレダーもぐち逸なんて撃てないし、ぐち逸だって俺らを撃てない。
『外、出してもらえますか、、、。』
銃は所詮脅しの道具だ。
「あのさ、誰に銃向けてんの?そんなんで解放するわけないよね?」
ドスの効いたレダーの声が響く。
その脅しは俺たちには効かない。
安全だと分かっているから気が抜ける。
『私は夕コさんに銃を向けています。いつでも、怪我を負わせられます。』
「だから?」
『撃てないと、お思いですか?』
肩に力が入る。
一瞬緊張するけど、そんなわけない。
撃てるわけない。
「うん。撃てないと思ってる。ぐち逸は夕コを撃てない。」
そう断言するレダー。
ぐち逸は俯いてため息をついた。
『そう、ですね。』
ゆっくりと銃を下げる。
そう、異常なほどに命に執着するお前は俺を撃てない。
『でも、』
またゆっくりと銃が動く。
今度は銃口は俺に向かない。
ゆっくり、ゆっくりと銃口がぐち逸の喉に近づく。
動けない。俺もレダーもそれを止められない。
状況がうまく理解できないから。
『自分なら、撃てます。』
自分の喉に銃を突きつけたぐち逸は俺とレダーを真っ直ぐ見る。
目が合っているのにぐち逸を見れていない気がした。
『出してください。』
力強く言うぐち逸に俺は車を動かすしか無かった。
その脅しには勝てない。
だって、死にたがりのお前がここで死なない確証なんてないから。
左側に空間ができた瞬間ぐち逸はシートベルトを外し車から出ていく。
バンっと閉められたドアが銃声と重なって心臓が跳ねる。
今になって後悔をする。
あの状態のぐち逸を1人にするなんて絶対愚策だ。
「はー、クッソ、、、!」
ドンと座席を叩くレダー。
もっと、もっと話ができると思っていたのに。
ぐち逸を救えるなんて過剰な自信を持っていたのに。
結局逆鱗に触れて信用をなくしただけだ。
震える手で「ごめん」と力二にメールを送った。
成瀬力二視点
「、、、こんなこと言いたくないけどぐち逸は自殺しようとしたってこと?でもあり得なくない?人前でそんなことする奴じゃないし成瀬くんの前で自殺する必要なんてないし、、、。
やっぱり故意じゃなかったと考えるのが普通だよね。それだと自傷行為の説明は出来ないけど、、、。
例えば怖くなっちゃったとか!トラウマを紛らわすためにリスカするようになっちゃって、、、。
記憶喪失ってのも気になるし、自分の身を削るような行動が多いから心配だな、、、。
つぼ浦にもっかいなんか知らないから聞いてみようかな。ぐち逸とつぼ浦の叔父さん関わりがあるみたいだし、、、。」
早口でそう語るのはことあるごとに推理をしだす伊藤ぺいん。
なにかとぐち逸さんを気にかけていたから話してみたら推理が始まった。
「でも、よっぽど触れられたくないみたいだね。あのぐち逸が人に銃を向けるなんて、、、。」
「そうっすね、、、。」
成瀬夕コから電話で聞いた話はあまりに信じがたかった。
二歩三歩後退したような気がして肩の荷はさらに重くなった。
「どうしたらいいんすかね。」
ぺいんはうーんと腕を組む。
「とりあえず、勲さん?だっけ?連絡してみるよ。」
それでなにか分かればいいのだけど、、、。
「もしもしっ?いま、今ぐち逸さん病院にいてっ、頑張って時間稼いでるから早くきてっ!」
ぐち逸さんを見つけたら連絡してとお願いしていた救急隊からの連絡に俺は全力で車を走らせた。
急げ急げ急げ。
会えるだけでいいんだ。
今どう言う状態なのか見る必要がある。
無遠慮に病院の入り口に車を停めて急いで中に入るとももみ先生がビシッと奥の部屋を指差す。
「あっちにいる!」
超小声で囁いて何度も奥の部屋を指差すももみ先生に軽くお辞儀をしてから平静を装って奥に向かう。
ここからの対応を間違えてはいけない。
『あ、カニさん。』
「びっ、、、!」
びっくりした、、、。
もうちょっと考える時間が欲しかったが呼吸を整える前に廊下でぐち逸さんと神崎にばったりと会ってしまった。
突然のことで焦りながらも今最適解の言葉を探す。
「え、っと、怪我、大丈夫ですか?」
『ええ。大丈夫です。』
なんでもないように笑うぐち逸。
視線を後ろにやると小さく首を横に振る神崎。
「無事ならいいんですけど、、、事故、ですか?」
『まあそんな感じです。』
また小さく首を振る神崎。
この嘘つきが。
すぐバレる嘘をつかないでほしい。
「そうですか、あの、一緒にご飯でも、、、!」
『あぁー、すみません先約があって、、、』
神崎を見ると今度はぐち逸さんを睨んでいる。
これは俺もわかる。嘘に決まっている。
「そっか、、、。残念だな。じゃあ、また今度一緒にいきましょ!」
小さく頷いて俺の横を通り過ぎていく。
手をとって引き止めようか迷う。無理矢理にでもすべてを聞き出したい。
ここなら、部屋に閉じ込めて言うまで出さないこともできる。
閉じ込めるまでにピストルを抜いて使わせないこともできる。
今なら、、、。
伸ばしかけた手を引っ込める。
今はその時じゃない。
この期に及んでまだぐち逸さんに好かれていたいという気持ちがある。
判断を間違えてはいけない。
ぐち逸さんが完全に見えなくなってから肩をトントンと叩かれた。
「ちょっと話、いい?」
神崎はそう言って奥の個室を指差した。
「ご飯買いに行こうと思ってバイクで走ってた時に近くでダウン通知があって。
すごい路地だったからちょっと警戒しながら入ったんだけど、、、4人の半グレに囲まれて殴ったり蹴られたりするぐち逸がいて、、、。」
「ふー」
拳を握りしめる。深呼吸をしても冷静にはなれそうにない。
座っている椅子がギシっと音を立てた。
「急いで止めに入って、でも勝てなさそうだったからぐち逸持って全力で逃げて病院まで来て、今に至るんだけど、、、。
殴打の怪我しかなかったからダウンするまで殴られてダウンした後もずっと、、、」
悔しそうに唇を噛んだ神崎。
お前もぐち逸の姿を夢に見るだろうな。
「その半グレの顔は?」
「覚えてない、、、。あ、でも一つ。リスカ、新しいのは増えてなかった。」
「、、、ん?」
「治療のついでに見たんだけどどれも古い傷、5日前とかのやつで新しい自傷の痕はなかった。」
「、、、そっか。」
喜ぶべきだろうか。
いまだに自傷行為とも取れる事件起こして怪我をしているのにリスカの痕が消えたことを喜べるだろうか。
「わざと、だと思う?」
俺が問いかけると神崎はゆっくり頷いた。
そうだよな、と俺はため息をつく。
「バイクに乗って逃げようとしたら後ろから、“吹っかけてきといて逃げんじゃねえ”って声が聞こえて。」
ぐち逸さんがわざとボコされたのだとしたらそれは立派な自傷行為だ。
なにがしたいんだろう。
彼は何を求めているのだろう。
俺は助けを求めるように姉に電話をかけた。
ぐち逸視点
ザーンと波が音を立てる。
肌寒さを感じる中海に浸かった足だけは少し温かい。
だんだんと分かってきたことがある。
偶然か、はたまた必然か、カニメイトから転落した日から俺は自分の過去を探り始めた。
あの時、宙で強いデジャヴを感じた。
自分に過去の影を見た。
それまでは過去なんてないかのように何も覚えていなかったが自分にも過去があると分かれば気になるものだ。
なんせ、自分の知らない自分がいることが気持ち悪い。
私は私の全てを知るために試行錯誤を始めた。
転落にデジャヴを感じたことで分かったことがある。
私は一度自殺未遂をしたことがある。
それは確かだ。
それから、、、。
腕から流れる赤い血。
時間が経ってからやっと痛み出す傷。
カッターを手にして手首に当てる時、またデジャヴを感じた。
私は過去に自傷行為をしたことがある。
そんなことだろうと思った。
自分の体を傷つけるつもりなんて無かったけど過去を知るには仕方なかった。
自殺未遂、自傷行為ときてなんとなく過去の自分がどういう人間だったかが分かってきた。
でもまだ本当のことは思い出せない。
だから思い出すために私は自分の体を傷つけた。
銃を自分の喉に突きつけた時もデジャヴを感じた。
ああ、これもか。と思った。
レダーさんが言った「死にたがり」は随分的を得た言葉だったようだ。
悪い人に囲まれて殴られている間もデジャヴを感じた。
なにかが思い出せそうで思い出せない。
もどかしい思いを晴らすように痛みを求めた。
次はどんなことをするべきだろうか。
無我夢中になって自分を傷つける姿が他の人にどう映ってるかなんて考えられなかった。
大好きな人たちが今の私を見てどんな顔をするかなんてどうでも良かった。
だって今はあの人たちに合わせる顔がない。
ザーンザーン
波の音が心地よい。
水平線の彼方に向かって歩を進める。
腰まで海に浸かる。
流石に寒さで体が震えた。
また波が音を立てて私の体を持っていく。
身を任せてみれば海は私を深くへと誘ってくれる。
『、あ』
デジャヴ、だ。
『これもか。』
そう呟いて私は陸に引き返す。
残念なことに“今は”死にたがりなんかじゃない。
海にもデジャヴを感じると言うことが分かれば良かったんだ。
『やば、』
ザーンと音を立てた波が足を掬う。
いつの間にこんな深くに来ていたんだろう。
服が水を吸収して体の重さが増す。
引き返せない。
焦って手足をばたつかせるのは逆効果だった。
どんどん沈んでいく体。
離れていく陸。
ああ頭が痛い。
まるで過去に戻ったかのような強すぎるデジャヴ。
焦りで海水を飲む。
無理だ。これは。
力が抜ける。
自殺なんてするもんじゃない。
自傷行為も、喧嘩も、銃の脅しも、するもんじゃないししたいなんて思わない。
それなのに過去の自分は死にたがりで命をなんとも思っていない。
まるで今の自分とは違っていて乖離している。
そのことが気持ち悪いし怖い。
自分がなんなのかわからない。
海に沈んでいく。
意識がスーッと消えていく。
『、、、ん、、』
「あ、、、た」
「ぐっ、、、ん」
周りがなんだか騒がしい。
見知った声がだんだんはっきりと聞こえるようになる。
「ぐっさん!?ぐっさん!」
「うるせえよ音鳴!」
目も慣れてきて状況を理解する。
車に乗せられて周りには868の仲間たちがいる。
体は若干痛むが完全に治療が終わった後だとわかる。
海で溺れてから救助が来て、それから868のみんなに引き取られた感じか。
両隣に座ったみっさんと刃弐さん。
絶対に逃さないという意思を感じる。
やばい、逃げたい。
「ぐっさん、体調大丈夫?」
『、、、だいじょうぶです』
みっさんが顔を覗き込んでくるのを避けながら答える。
みんなと顔を合わせるのは久しぶりだし、迷惑をたくさんかけた。
気まずくて俯いたまま時がすぎるのを待つ。
「救急隊の人がね〜、海でぐち逸さん見つけて治療してから俺たちに連絡してくれたんだよね」
『、、、そうですか、、、』
肩身が狭い。
「ついたよ」
運転席にいた夕コさんが言った。
チラリとこちらを見た視線は鋭く私はすぐに目を逸らす。
あんな目は見たことない。
外を見ると見知った場所でアジトの前だった。
左右から仲間がおりていく。
どちらからおりるのが逃げれる確率が高いだろうか。
右から下りればみっさん、左から降りれば刃弐さん、、、。
申し訳ないけど右側の方が確率は高そうだ。
ポケットに手を入れる。
分かっていたけどピストルは入っていない。
どうしたものか、、、。
カンッ
足元から音が聞こえて目線をやる。
足元には使い古されたピストルが落ちていた。
さすがギャングの車といったところだろうか。
なんの違和感をなく無作為に落ちたピストルに手を伸ばし取る。
しっかりとピストルを握りながら右側から車を降りる。
「、、、ッ!、、、ぐっさん、それやめてほしいな、、、」
『ごめんなさい、私まだみなさんに合わせる顔が、、、』
握ったピストルを腹にあてる。
謝りながらまたデジャヴを感じていた。
「はい、やめよーねぐち逸」
『、ぁ、え?』
後ろからぬっと腕が伸びてきてピストルを奪う。
そのままカチッと手錠をかけられた。
『ちょ、っ』
「俺たちが2回もヘマすると思う?ねえぐち逸?」
がっしりと肩を組みながらレダーさんがそう問うてくる。
圧を通り越して怒りを感じる声に流石に口を噤んだ。
「はー、びっくりした。ぐっさんそれやめてや」
「もー、嫌な脅し方覚えちゃって。まじで性格悪いよそれ?」
夕コさんが言う。
今まで一回も感じなかった罪悪感がみるみる湧いてきて思わず泣きそうになった。
一気に感情が揺れ動いて制御できない涙が溢れそうなのを必死に堪える。
アジトいこっかと言われ腕を引っ張られながら歩いた。
久しぶりに帰ってきたアジトは私を拒むように冷たい空気が漂っていた。
まるで見知らぬ場所みたいで怖いなんて思った。
レダーさんは手錠をかけたまま私をソファに座らせた。
ごめんねーと心のない謝罪を言いながら手錠を近くの机の足から伸びた鎖と繋げた。
「本当に、まじで、もう逃したくないからさ」
そう言い訳を言う。
まるで監禁のような光景。
いつからこんなことをしなくちゃいけなくなったんだろう。
ガシャン
腕を動かすと鎖が大袈裟に音を立てた。
『あ、これも、』
思わず声が漏れた。
またデジャヴを感じた。
「ん?なに?」
『、、、いえ。』
対話を拒否するように俯いた私にレダーさんは困ったようにため息をついた。
「俺らで話すから一旦外出て」
仲間に向けてそう言うとレダーさんと夕コさん以外が渋々といった様子で外に出ていく。
「まーーーー、、、一旦エッチでもして緊張ほぐす?」
おどけて言ったレダーさんを睨む。
不快だ。
「割と本気だったんだけど、、、」
「許してやってぐち逸。10日以上シてないんだから」
「そーだよ!ぐち逸もたまってんじゃない?」
もしセックスしてこの場を切り抜けられるならいくらでもしよう。
でも絶対に違う。
何かを企んだ顔してる2人の言うことを聞くわけにはいかない。
「お堅い空気は嫌だからさ。一旦イチャイチャしよーよ」
ガッと顔を掴まれて目が合う。
無理やりキスされた。
『、っ、や、です!』
声を絞り出して言った。
抵抗できない。大好きな人たちからの誘いを断ったことはない。
こういうことへの抵抗はまだ覚えていない。
私はこういうのに弱い。
「だいじょーぶ。優しく抱くからね。」
そう言いながら服に手を忍ばせる。
冷たい手が優しくお腹を触る。
後ろから夕コさんが私の頭を撫でた。
涙が溢れた。
夕コさんに頭を撫でられるのが好きだった。
私が一方的に離れていって会えない間、自己責任だけどずっと寂しくて。
久しぶりに与えられた愛にただひたすら涙が溢れた。
レダーさんがズボンに手をかける。
私が身を捩ってガシャンと鎖が音を立てた。
際どい場所を這う手。
正気に戻すかのように冷たいデジャヴを感じる。
『あ、デジャヴ、、、』
涙がぴたりと止まってそう言葉を漏らした。
「デジャヴ?」
レダーさんも不思議そうに言って手を止める。
俺を見つめる目がやけに優しくて心臓が跳ねた。
銃を使って脅したり自傷行為を繰り返してみんなから何も言わずに離れていった私に対してなぜこんなにも優しい目ができるんだろう。
「ぐち逸、愛してるよ。本当に。だからそんな不安そうな顔しないで?」
“愛してる”
久しぶりに聞いたその言葉はじっくりと心に沁みていく。
ずっと愛を与えてくれていたのに私はその愛を信じきっていなかった。
私はこの愛を信じなきゃいけない。
こんな私を受け止めてくれる人なんてこの人たちしかいない。
言わなきゃ。
言わなきゃ解決しない。
言わなきゃ頭も撫でてくれなくなる。
言うんだ。
ゆっくりとまた涙が溢れた。
抑えきれない感情が涙として出てくる。
『れだーさん、ゆうこさん私、いわなきゃいけないことがあって』
「、、、うん。聞くよ。」
私を挟んで2人が座る。
レダーさんは手錠を外して私の手を握った。
大丈夫。って言い聞かせる声に落ち着く。
『ずっと、ずっとデジャヴを感じるんです。
転落した時、自傷行為をした時、銃を自分に向けた時、囲まれて殴られた時、海で溺れた時、手錠をかけられて監禁まがいなことをされた時、、、その状態で体を触られた時。』
『、、、過去の自分が全部、経験したことだと思います。』
「、、、そっか。」
私の手を握る手が強くなる。
心地いい痛みだった。
「なんで、すぐに言ってくれなかったの?俺たちの中で嘘はなしでしょ。」
夕コさんが優しい声で言う。
『だから、なんです。』
「え?」
『うそはつきたくなくて、、、』
涙が溢れて止まらない。
本当はすごく怖かった。
自分の体が傷ついていくのが怖かったし痛かった。
でも過去を思い出さなきゃと冷静な心なんてなかった。
『私はっ、命を大切にする医者で、もちろん自分の命だってそれなりに大切に思ってます。
それなのに、、、過去の自分は自分の命を何とも思ってない、レダーさんが言った通り“死にたがり”だった。』
その乖離がどうしても許せなかった。
大切にしてきた、決して曲げなかった信念はただの気まぐれみたいだった。
過去から大事にしてきたものなんて一つもなくて。
『記憶を失う前のこと、全部思い出して無かったことにしようと思ったんです。
思い出して、飲み込んで、そんな過去の自分も許してやっと、、、みんなと顔を合わせられるって思ったんです。
だからデジャヴを辿いました。
苦しいことがあるたびにデジャヴを感じるのは怖かった、、、
でも!幸せな時間を過ごしている時に不幸を思い出すのはもっと怖いです、、、。』
幸せな今を過去に邪魔されるのが嫌だった。
『みんなの前では、偽りのない自分でいられるんです。いさせてくれるんです、、、!
みんなにだけは嘘をつきたくないから自分の影の部分に蓋はできなくてっ、。
ずっと嘘ついてる気分になったんです。
記憶を失ってから生まれた自分は全部偽りな気がしてきて、、、。
そんな偽りの姿でみんなの前には立てなかった、、、。』
過去と今、どっちが本物なのか。
どっちが自分の本質なのか。
嘘をついていない、全部清算して一つの自分になれたらまたみんなの前に立てる。
『レダーさん、夕コさん。、、、ごめんなさい。
冷静じゃなくって、、、。おれ、嫌われちゃうんじゃないかって、、、』
おれ、言い馴染みのない単語なのに妙にしっくりくる。
違う、私の一人称はおれじゃない。
「ぐち逸、ごめん。ごめんね、、、。」
『謝られることなんてなにも、、、』
「お前の痛みに気づけなかった。無責任な約束でお前を傷つけた。ぐち逸、違うんだよ。“嘘はなし”っていう約束はぐち逸を守るためのもので傷つけるためのものじゃない。」
「気にしなくていいんだよ。どんなぐち逸でも愛してるよ。ぐち逸の過去がどんなだっていい。死にたがりのバカがって笑い飛ばせばいい。
今のぐち逸は偽りの姿なんかじゃないよ。
俺たちを愛してくれてるぐち逸は偽りなの?」
私を抱きしめて震える声でそういう。
偽りなんかじゃない!みんなへの愛だけは確信を持って言える。
『でも、過去を、デジャヴが、、、』
だってこんなに悩んだのにこんなに簡単に終わりにしていいの?
過去なんて何でもいっか。って笑い飛ばしてそれで終わりでいいの?
「もう苦しいことなんてしない。だからデジャヴなんて感じない。」
それで、いいの?
過去に蓋をして見なかったことにしてもいいの?
何かを抱えたままの私でもいいの?
「もし、もしまた記憶を失ったりさ来世ではさ楽しいことにデジャヴを感じるようにしようよ、、、!
キスするたびに、抱きしめられるたびに、愛しいって感情を抱くたびにデジャヴを感じようよ。
それじゃだめかな?」
それで、いいのかな。
簡単なことなのかな?考えすぎだっただけなのかな?
なんの問題も解決していない。
すっきりなんかしない。
でもそれでいいのかもしれない。
“自分”についてちゃんと説明できなくてもぽっと出の信念を生まれた時から大切にしてるみたいにしても、いいのかも。
過去の自分なんかバカな死にたがりだなって笑いものにしてもいいのかも。
目を向けるべきものって過去じゃなくて未来で、夢見たいな理論で納得してもいいのかも。
しっかりと私の手を握る2人が優しくこちらを見ている。
きっと泣き腫らして酷い顔をしている。
『うん、、、。ばか、ばか!過去の自分ばーか、、、。』
涙が溢れて止まらない。
心の中のどこかで過去の自分をこうやって受け止めてあげたかったのかも知れない。
「うん、その調子!」
『ばか!命しらず、、、!しにたがり!、、、、、、レダーさん、夕コさん』
「ん?」
『、、、愛してます。』
この言葉に偽りなんてない。
本心からの愛してる。
2人は少し驚いた顔をしてから私に思いっきり抱きついてきた。
夕コさんがぐしゃぐしゃに頭を撫でる。
本当に私は幸せ者だ。
「ぐっさ〜ん!!」
大きい声をあげながら部屋に入ってきた仲間たち。
みっさんが一目散に向かってきてちゅーっと子供みたいなキスをする。
「まかせて、俺めっちゃおもろいことするわ」
そう言って空き巣用の服に着替え出す。
笑かせてくれるらしい。
「ほら!刃弐と蓮もいくで!」
「まー、人肌脱ぎますかっと。」
ノリノリの牢王蓮さんに対して刃弐さんは首を縦に振ろうとしない。
私にぎゅっと抱きついたまま離れない刃弐さんと文句言いながら白ずくめになる2人が面白くてふふっと笑いをこぼす。
緊張の糸が切れて心が温まっていく。
私は着ている上の服を一つずつ脱ぐ。
「ん、え?ん?」
『いっぱい愛ください』
「、、、なんや着替えてもーたやん」
「じゃあ音鳴と牢王蓮は行ってきて」
「んでだよ!」
騒がしいこの雰囲気が大好きだ。
みんなに囲まれて暖かい雰囲気に泣き腫らして疲れた私は瞼が重くなっていく。
誘っておきながら寝るわけにはいかないと思いつつも私を抱きしめ続けている刃弐さんは優しく笑いながら「ねていーよ」と囁く。
私はゆっくりと瞼を閉じた。
幸せな夜だった。
『ほんっとうに申し訳ありませんでした、、、!』
「いやいや、ぐち逸さん顔あげてください!!」
『本当にご心配とご迷惑をおかけしてしまって、、、!』
「まじで大丈夫っす!!」
深く下げた頭。
何とか起きあがらせようとカニさんが私の肩を掴む。
次の日、そういえば迷惑をかけまくったことを思い出し焦りに焦った結果家を飛び出してきた。
特にカニさんには迷惑をかけたからすぐに謝罪をしたかった。
夕コさんによるとトラウマも抱えさせてしまったようで自分がしでかしたことがどれだけ馬鹿げたことだったかを理解した。
『もう、なんでもします。』
そう言って顔を上げるとペンギンのマスクを被っていないカニさんが「やっと頭上げてくれた、、、」と疲れた様子で言った。
思えば、早朝に突然家に押しかけるのは迷惑行為かも知れない。
謝罪は早い方がいいと思ったが、、、。
部屋着に整っていない髪。よほど急いで出てきてくれたんだろう。
突然申し訳なくなってくる。
「なんでもするんすか。」
『ええ、、、。』
項垂れて答える。
迷惑ばかりかける自分に呆れる。
「じゃあああいうこと二度としないでください!本当に!」
『ええそれはもちろんです、、、!』
「あと!」
あと?
カニさんは少しの沈黙の後恐る恐る口を開いた。
「俺の恋人になってください。
、、、、、、、、いや、その!868の連中とイイカンジなのは知ってますよ!その、なんて言うか、ほんと、ちょーーーっとだけ俺のことも気にかけてくれないかなーってほんとそれだけで!
、、、すみませんマジで口が滑りました、、、。」
一気に捲し立てるカニさん。
かっこいい告白だったのに弁解が長すぎて最初の言葉が薄れている。
『、、、ふふっ』
思わず笑みが溢れた。
こんなこと前もあった。
カニさんは嫌がるだろうけれどレダーさんに告白された時とよく似ている。
あの時、、、
「ぐち逸、俺のものになってほしい。
、、、、、、、、、いや、知ってるよ!その、夕コとイイカンジだってことは知ってんだけど!
けど、なんつーか、俺も負けないくらい好きだから、、、。ってマジで、、、。あー、もうやり直せないよね?」
なんて言って1人で恥ずかしがって、やっぱやり直す!なんて言い出したんだっけ。
カニさんは跳ねた髪をいじりながら顔を真っ赤にして私からの返事を待つ。
ああ、その顔は夕コさんに似ている。
デジャヴを感じた。
幸せな、デジャヴ。
私はまた少し笑う。
彼をしっかりと見つめて口を開いた。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!