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〈nakamu side〉
nk 「あのさ、相談事なんだけど、」
kr 「ん、もう話す?とりあえず腹満たした方が楽かもよ?」
グウウゥ
nk 「たしかに笑笑」
彼は俺の気持ちに気づいているのだろうか。
冷静に考えれば、この提案も彼なりの気遣いだったのかもしれない。食事の時間が気まずくならないように、あとで俺にひとりになる時間を与えるために。
悶々と話すことを考えていたから、喉は通っても、味はしていなかった気がする。
kr 「んで、相談事って何?」
nk 「あー、いや、ぇっと」
ぎこちなくなる、体の芯から震えるみたいに緊張して、いつもどうやって話してたかなんて忘れてしまう。
でも俺に向き合ってくれた彼の顔が背中をおしてくれる。
nk 「俺さ、きりやんのこと好きなんだよね。友情じゃなくてちゃんとした恋愛感情。」
nk 「急に言われてびっくりしたかもだけど、もしよかったらお付き合いしたいなって」
kr 「だからそんなに緊張してたのか」
nk 「ぁ、、そうだね。バレてたのかよ笑」
nk 「気持ち悪いとか思わないの?」
kr 「思わない。」
即答だった。その声色には二言なんてないようで、俺はこういうところに惚れたんだと改めて認識する。
kr 「でもごめん、なかむが俺を好きでいてくれたように俺も好きなやついるんだ。」
nk 「うん、、知ってる。
これからも友達でいてくれる?」
kr 「何言ってんの?当たり前じゃん」
nk 「相談はこれだけ!じゃあ帰ろっか」
kr 「え、シャーk」
nk 「あ、やべ薬局で買い物しなくちゃだったわ。ごめん先帰って」
kr 「、、、、わかった。気をつけてね」
…………………………………………………*
nk 「あいつ、優しいからさ、」
多分気づいてたと思うんだ、俺の嘘に。なんでつぶやく言葉がどれだけか細かったか。
sh 「、、、」
そんな言葉、聞きたくなかっただろうになぜ俺のそばを離れずにいてくれるのかなんて、そんな阿呆なことを聞くほど俺はお前のこと見てないわけじゃないよ。
彼が俺の体に体温を伝える。じんわりと広がる熱と少し早い鼓動が俺を隠そうとしている
、、、今そんなに優しくされたら。
これは甘えだ。
これを抵抗できない俺は
最低だ。
…………………………………………………*
〈kintoki side 〉
kr 「今日も体育、室内らしいよ」
kn 「いい加減グラウンドがいいよぉ」
ーーーやばいやばいっ、!
ドタドタッ
nk 「やばいことになった!!」
kn 「何、朝から騒がしくない?」
nk 「きりやん大変だってば!!」
ん、?あれ、なかむって前にきりやんに告白して、振られちゃったんじゃなかったっけ?
昨日の今日でこんなにも自然になるもんなの?
結局シャークんとどうなったかもわからんのに
むしろきりやんが動揺してるくらいじゃないか
kn 「で、何そんなに焦ってんの?」
nk 「新しい噂!やっときたんだってば!!」
kr 「そんなに驚くことなの?」
nk 「今回のはやばいかも。集団での被害が出てる」
…………………………………………………*
【音楽室の肖像画】
あなたは知っていますか?
この学園に広まる古い御話。
音楽室の肖像画の噂。
昼休みや放課後の時間、長く続く廊下の端からは、優しく心踊るようなピアノの音がかすかに聞こえてきます。
でも、愉快だからといって教室に入ってはいけません。あなたがピアノに気を取られていると背後にいるピアノの弾けない肖像画たちはあなたの体を借りようと連れていってしまうから。
…………………………………………………*
kn 「こりゃまた物騒な噂だな」
kr 「、、、」
nk 「集団で被害が出てるのは、基本的に吹奏楽部の子達なんだよ。頻繁に音楽室付近を寄るから」
kr 「今回はみんな協力しなくていいかも」
kn 「え?」
nk 「何でだよ、危ないだろ?」
kr 「だからだよ。
ちょっとみんなで集まろうか」
〈shake side〉
sm 「は、?何言ってんの」
br 「無茶はダメだって」
kr 「それでも今回は集団での被害が出てる。力のある俺と、そうじゃないみんな。協力してもらってるのは本当に助かるけど、今回は無理だと思う 」
kr 「最悪、みんなが攫われる可能性だってある。俺だって全員を守れるような広大な力はここでは使えないから」
nk 「、、、。いやそれでも賛成できない。」
なかむは強い。
今日、改めて見て感じた。
こういう真面目な場面できりやんに対して恋愛感情を持ち込んだことはなかった。これは友情であり、そこには厚い信頼がある。
でも俺は正直言って怖い。
もし、 この中の誰かを失ってしまったら?
もし、なかむを失ってしまったら?
結局俺は最低だ。
kr 「〜〜っ。じゃあせめてスマイルは待機してて欲しい」
sm 「おれ?」
br 「僕らとスマイルってそんなにも違うの?」
kr 「わかりやすくいうと、すごく霊に惹かれやすいんだよね。」
kr 「この中で順位付けするなら、上からスマイル、きんとき、シャークん、ぶるーく、なかむ、かな。」
きりやんが言うには、スマイルときんときの間にはかなりの差があって、俺とぶるーくの間にも少しの差があるらしい。
要は霊に手を出されやすい順ってこと?らしいけど、正直にいって異様なほどにスマイルを気にする姿はあまり彼らしくないと思うことがちょくちょくある。
sm 「俺は待機してればいいんだよね?」
kr 「そういうこと。他のみんなもできるだけ近づかないで欲しいからー、今回の配置決めるね」
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