テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「ふふ、くすぐったい?」
「ちょ、もっと丁寧にッ」
先程の雰囲気とは打って変わって、リビングのソファで若井は大森にタオルで頭を子供にするようにわしゃわしゃと拭かれていた
「ほら、じっとして、ドライヤーするから」
言われた通り座ると、大森が後ろに座り、ドライヤーのスイッチをオンにする
暖かい風が頭に当たり、耳にかかる風がくすぐったい
先程の恐怖など忘れ、いつもの関係に戻ったような気がして、若井の口角が緩む
大森の指が若井の髪を優しくかきあげ、そこに風を当てる
すこし、暖かさで眠くなってきたようだ
「よし、終わったよ」
「ん、ありがと」
終わったことを確認し、立ち上がろうとしたら大森が手を引いた
「まって、まだこれ付けてないよ」
そう言う大森の手にあるのは、風呂のタイミングでとったチョーカー
若井がそれを見た途端、飼われているということを再確認し、口から息を浅く吸った
大人しく従うと、不意に口から漏れてしまった
「…気持ち悪」
あ、言ってしまった
その思考で脳が埋め尽くされる
大森は無言だった
襟足をそっと掻き分けると、首にチョーカーを付ける
「…まだ余裕なんだね」
「そりゃ、あんなんで怖気ずくなんて、俺じゃないから」
内心、 心臓が凍えている
抵抗してはならないと頭では理解しているのに、口から出るのは反抗的な言葉
身体中がぐちゃぐちゃで、どうすればいいか自分でも分からない
「…躾がいがあるね」
そう口角を上げて嬉しそうに言う
その大森を見ると、肩がびりびりと震えた
また、大森の手が若井の首にかかる
大森の指が喉を強く押え、息苦しさを誘う
「ん”ッ、ぅ…ッ」
そうなけなしの声を絞り出すと、手が離れる
「寝よう、続きは明日」
「けほ”ッぁ、ッ」
強く息を吸おうとしても、咳が出て上手く吸えない
そんな若井を横目に、大森は寝具を整えていた
「うん、いい顔してる」
こんな苦しそうな顔がいい顔なのか
自分の俯く顔を覗き込みそう言う大森に嫌気がさした
「ん。」
突如、大森が手のひらを差し出す
「…ぇ」
「分かるでしょ?わんちゃん」
その一言で理解した
あぁ、犬になれということか
躊躇しながらも、大森の掌に手を置く
大森を目だけ動かし見つめると、堪らなくなったような表情で俺の手を見ていた
寝室に入ると、柔らかい甘い匂いがする
恐らく芳香剤だろう
その甘い匂いすらも、今じゃ恐怖を誘う材料となる
部屋の雰囲気を飲み込めないでいると、後ろから強い力で背中を押された
「んぃ”っ、なに急に…」
「寝るよ、俺は明日も仕事なのだよ」
大森が少し面白い口調で言う
「…寝るなら、馬乗りになるの辞めてくれない?」
「…」
大森が若井の腰を艶かしい手つきで撫でる
ラインを確かめるかのように、手のひら全体で腰を掴む
「ん、ふ…」
くすぐったさで吐息が漏れる
いまのは…感じたとかじゃない、くすぐったくて出ただけ、うん
そう自分を言い聞かせて、吐息の事実を有耶無耶にする
大森は目をじっと細めて、何を考えているのか分からない表情でいる
「ね、なにしてんのっ」
「…若井って、意外と腰細いんだね」
「ぎゅって握ったら、すぐへこたれちゃいそう」
「?」
その言葉を聞いても、なぜそんな行動をとるのかが分からない
若井は怪しさを感じながらも、大森が退いたタイミングで眠る体制になる
「おやすみ、若井」
「…おやすみ」
続きは明日…
明日もまだ自分は鳥籠にいるのか、という思考で、目に涙が溜まる
流さぬよう、瞼で押さえつけた
コメント
6件

主様のこの作品めっっっちゃくちゃに好き過ぎて、一気読みしてしまいました、ほんっとに好きです…… 大森さんに内心怯えながらも、反抗的な態度を崩さない若井さんが本当好きで…… これから先、もっと大森さんに躾けられていくのかと思うと今からもう楽しみでたまらないです本当に 大森さんの、若井さんを逃す気のない支配的な雰囲気、大好きですもうほんとに 続き、めちゃくちゃ楽しみに待ってます!長文失礼いたしました…
涙を瞼で押さえつけるっていう表現が綺麗だな・・・ 怖がってる若井さんほんとやばい 続きが楽しみです
好きです!続き待ってます!