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息を切らしながら森の中を走る。はっはっと息が荒れる度に焼け爛れた肺がキシキシと痛み、蹲りそうになるを我慢しながら走っているせいでいつもよりも遅い。どこに行っても炎が燃え盛っていて僕が居た場所はあとかたもなく崩れ落ちている。覚束無い足取りでやっとたどり着いた所も、安全地帯では決してなかった。長時間走り続けたせいで足がズキズキと痛い。全身の骨が軋んだと同時、あの家如く崩れ落ちた。僕も、ここで終わりなのだと目を閉じるしかない。、、生まれ変わったなら、もう一度、お母さんに会いたい。そんなささやかな願いさえ、こんな世界は叶えさせてくれないのだろう。
「…、あれ、ぼく……いきて、」