桜介×四季♀
「四季、大丈夫か?」
「お〜すけさん!!」
扉を開けた途端に腹部に抱きついてきた四季を少しよろめきながらもしっかりと抱き抱えた。
「おぉ、四季!」
「どーしよ、急に緊張して来ちゃった!!」
「!大丈夫だ、安心しろって」
「俺がいるだろ!」
タキシードのワイシャツをキュッと握りながら不安そうにこぼした四季の言葉を桜介は普段と変わらない力強さで吹き飛ばすように慰めた。
「んふふっ」
そんな桜介を見つめていた四季が張っていた緊張を解くと同時に笑みを溢した。
「ありがと、桜介さん」
「おうよ!!」
「俺さ、ほんと幸せなんだ…」
「敵だった桜介さんと恋人になれた上に結婚もできて」
目の前の現実が幸せであることを噛み締めて四季はつぶやく。
「桜介さんはさ、ちゃんとヤなことは、ヤって言ってくれんじゃん?」
「だから、俺と情けとか関係なく本当に好きでいてくれてんだなって思えるんだ」
そうやってベールの奥で笑った四季は何よりも愛おしくて、可愛くて、俺は思わず抱きしめた。この両手に四季をしっかりと感じたかった。
好きじゃなきゃ結婚するはずがねぇ。俺は四季が好きで好きでたまらねぇ。鬼神の子は桃太郎でも鬼でもなりふり構わず魅了すんのかって最初は思った。
でも違った、四季だからだった。
「俺は、明るくて優しくて誰よりも可愛い四季が大好きだ」
「だからよ…誰がなんと言おうとも、俺から離れないでくれよな」
いつかこの腕から離れる日が来るのかと僅かに思う、来たとしても話す気はさらさら桜介にはないのだけれども。
どうしても四季の口から聞きたかった。桜介のみが聞けて四季だけが答えられるこの問の答えを。
「もちろん、離せって言われても離してあげない」
笑う四季をまた抱きしめる。
実のところ俺と四季が繋がることに違を唱える奴は多くいた。それこそ鬼も桃太郎も。
特に顕著だったのが無蛇野と神門が。
やめておけだの相応しくないだの、要するに手に入れられなかった妬みなんだろう。
まぁ、そんなこと俺から…俺らから言わせれば…ウルセェ知ったことか。ということだ。
『これ以外に幸せなんてあるものか』
コメント
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四季以外に幸せなことなんてないほど四季が好きって伝わってくるー!💖