北斗に案内された二人の新居は、オレンジの屋根に白いレンガの可愛らしい二階建てで、横に広がっていた
そして玄関に入った瞬間からここに北斗が一人で暮らすだけには、考えられないほど広いとアリスは思った
車一台分駐車できそうな玄関、リビングは三十畳ほどあった
「まぁ・・・・凄いわ・・・」
「・・・無駄に・・・土地だけはあるから建物の価値なんかは、無きに等しいよ」
北斗が照れながら言う。正直のところここに女性を入れたのはアリスが初めてだった
只々何も考えずにいられる場所が欲しくて、北斗一人のために設計した家だ
何もないガランとしたリビングは、真っ黒なレザーのL字型のソファーに、巨大な壁掛けテレビのみで
カウンターキッチンには、椅子二脚と今朝の彼の飲みかけのコーヒーカップだけ
入口でアリスは覗いてから、遠慮がちにキョロキョロ辺りを見渡しながら入って来た
北斗の手がアリスの背中のくぼみに添えられ、手を引いてレザーソファーに連れていかれ
ローテブルの上のノートパソコンの前に座らされた
「・・・今日からこの家は君の家だ、これで・・・ 」
そう言うと彼はシルバーのクレジットカードをテーブルに置き、ノートパソコンを開いて画面をアリスの方に向けた
「君がここで生活をしていくのに必要なものを、オンラインショッピングで揃えてくれ 」
「必要なもの?」
アリスはきょとんとした、北斗の視線がアリスの服装に向けられる
「ああ・・・たとえば・・・そうだなスニーカーとか・・ジーンズとか・・・ここでは・・・そういうのが必要になると思うんだ」
確かにここではスーツケースに入っている、ディオールのブラウスやプラダのスカートより、動き回れる服装の方がよさそうだ
「カーテンも買ってよろしい?あと・・花瓶も 」
北斗がクスリと笑った
「ああ・・そのカードには上限がないからなんでも買っていいぞ、ここにすべて届けてもらえる」
アリスは満足げな表情を浮かべると、ノートパソコンを引き寄せ鼻歌を歌いながら、オンラインショッピングの達人らしく軽快にクリック音を重ねていった
その楽しそうな表情を見てやっと北斗は安堵した。今朝は可哀想なことをした、弟たちの前で恥ずかしい思いをさせてしまった
もっとちゃんと正式に紹介して、キチンと兄嫁としての威厳を保ってやれるようにしてあげたかったのに、残念な初対面になってしまった
キッチンへ行って冷蔵庫から、ゴディバのチョコレートを取り出した
北斗自身パリに行って会うまで、本当に彼女をここへ連れてこれるか半信半疑だった、ほとんど自信がなかった
でももし連れて帰ってこれたら・・・と
このチョコレートだけ事前にオンラインショッピングで、北斗が注文していた
郵便局員のビック・ジンが受け取ってここに入れておいてくれたのだ
「まぁ!ゴディバ! 」
北斗がノートパソコンほどある、ゴディバの箱の中からチョコレートを一つ取り、包を開けてアリスに見せた
アリスは喜んであーんと口を開けた
じっと見つめられて、北斗にチョコレートを口の中に放りこまれる
途端に頭に花が咲いた
さすがゴディバだ、甘くてほろ苦くてコクがある、魔法のアドレナリンが出て一気にリラックスした
「う~ん・・・さすがゴディバね、モンロワールとはまた違う味わいだわ」
クスッ「モンロワール?」
初めて聞いたとばかりに北斗が微笑んだ
「ええ・・・チョコレートではゴディバが圧倒的に名が知れてるけど。モンロワールは神戸発祥のチョコレートなの、私の中では圧勝だわチョコレートと言えばモンロワールよ」
「覚えておくよ 」
「北斗さんもあーん♪」
アリスが楽しそうにチョコの包を開けるものだから、甘いものが苦手な北斗も、思わず口を開けた
チョコレートの甘い香りが二人を包む、そして二人は同時に目を閉じキスをした
お互いの舌を絡ませるとチョコレートの甘みが増した
体が動いた拍子にすかさず北斗の大きな温かい両手が、アリスの太ももを撫でると、こたえるかのようにアリスが身を震わせた
北斗は嬉しくなって優しく太ももからお尻まで撫であげる
「君の・・・体を休ませてあげないと・・・・」
「・・・もう一つチョコ食べる?」
「チョコはいらない・・・欲しいものはすべてここにある 」
少しスカートをまくり上げ、アリスの柔らかな内太ももに、キスをし唇を優しく移動させた
焦ることはない・・・と北斗は高ぶる自分のモノを意識しながら、自分に言い聞かせた
ここから先は今夜のお楽しみにすればいい
北斗は床に膝間づき、両手でアリスの太ももをスカ―トの中から優しくなでた
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