jmside
目が覚めると、
何故かすごく疲れていた
体がうまく動かせず、
この静かな部屋はどこだろう、と天井を見つめる。
しばらくそのまま考えて、
照明が落とされたグクの家の寝室だと気づき、
ここまで自分で来た記憶がないこの頭が、混乱を起こす
すっかり使い慣れたベッドが、いつも以上に綺麗に整えられ、
僕は寝巻きに着替えさせられてそこに寝ていた。
意識がはっきりしないまま、辺りをゆっくりと見渡すと
サイドに置かれた低い椅子にグクが座っているのを見つけた
ベッドに置いた腕で頭を抱くように、顔を埋めて眠っている
なんで、、なんで隣で寝てくれていないんだろう、、
不思議になって、重い腕を伸ばしてグクの髪にそっと触れた
すると、寝てると思ったのに、すぐにぴくっと反応した彼が、顔を上げて僕を見る
🐰「あ、、ヒョン、おきた、よかった、、泣
体は?、、、大丈夫?」
何故か震えている手で、頬にそっと触れられた。
その目は暗い中でもわかる、泣き腫らしたばかりのようにうるうると潤んでいた
どうして、、どうしてそんな泣いたの?
昨日好きだって、、大好きだって伝えたのに。
まだ足りなかったのかな、、心配になったのかな、、
じゃあ早く噛んでもらわなきゃ、、
あれ、、?
そうだよ、、噛んでもらわないと、、、、ん?、、なんで僕、、、
彼の顔をみつめながら、記憶をたどる
🐣「はぁっ、、!!うっ、、くっ、、、」
🐰「ヒョン!?
だいじょうぶ?!」
暗闇。
悪気が走る手の感触。
身体を引き裂かれるような衝撃。
鈍い項の痛み。
🐣「あああっッ、、いやだああああっっ」
思い出したくなかった記憶が一気に戻ってきた
自分の身に何が起こったのかを理解して吐き気を催す
激しい頭痛が襲い、耳鳴りがした
ぎゅっとブランケットを手繰り寄せ、うずくまってしまう
🐣「いや、、いやだぁっ、でんきっっ、、、電気つけてっっ泣」
グクがすぐさま電気をつけて、僕を暗闇から救ってくれる
🐰「怖かったね、、泣、、大丈夫だよ、、、泣
もうここは安全だからね、、、」
僕が落ち着くまでずっと、手を握り、体をさすってくれていた
🐣「ハァ、、、ハァ、、、泣」
いくらか息が整った頃、
グクが僕を見つめて小さく言った
🐰「ねぇ、、抱きしめたら、、いや、かな?」
なんで、、
なんでそんなことを聞くの?
そのグクの少しよそよそしい態度ひとつひとつによって、
舞い戻ってきたこの記憶が夢ではないことを少しずつ思い知らされていく
でもグクが、、グクがまだ自分を抱きしめてくれると言うのなら、
僕は今、どんなものよりも彼の温もりが欲しかった。
握ってくれていたグクの手をぎゅっと握り返して、来て、と引っ張ると、
少しほっとした顔を浮かべて、ベッドに上がり、横に寝転んできた
そのまま引き寄せられてそっと抱きしめられる
🐣「ぐすっ、、、んっ、、、あったか、、い、、、泣」
ちゃんと優しくてあったかかった
🐰「ほんと、、?あったかい、?、泣 よかった、、、泣」
やっぱりこの記憶は嘘なんじゃないかと思って
彼の腕に抱かれたまま、
おそるおそる、項に手をやると
それに気づいたグクが小さく息を飲んだ
期待は呆気なく裏切られ、
そこには、くっきりと大きな噛み跡が着いている
悲しそうにこっちを見つめ返しているグクの視線が耐えられない
🐣「これ、、、これは、、グガの?そうだよね?、、グガが噛んでくれたんでしょ?
約束したから噛んでくれたんだよね?!
ねぇっ、、そうでしょっ?僕はグガのものでしょっ?!答えて?!」
黙ったままのグクの、胸元をぎゅっと掴んで、そうだと頷いて欲しくて必死で揺さぶる
僕の手首を握ってそっと抑えたグクが、
苦しげに声を震わせて答えた
🐰「それは、、ぼくのじゃ、ない、、。
ジミニヒョンはもう、、いや、1度も、1度だって、僕のものに、、できなかった、、、泣」
その目が潤んで、涙が浮かんだ
🐣「うそ、、うそだよっ、、、違う、僕はグクのものだよ、、、ねぇ、、キスして、、ほら、、いつもしてくれたでしょ?
僕悲しいよっ、、キスしてよっ」
🐰「うん、、さっきね、、ここに連れて来た時にも、少し起きちゃったヒョンに言われて、しようとしたんだ、、、、、泣
でもね、、、、泣」
今にも泣き出しそうなグクが、そっと覆いかぶさってきた
そこまでは昨日までとなんら変わりはないように思えた
目の前で僕を見つめているのは、
愛おしくて、
優しくて、
温かくて、、
早く彼のものになりたいと
半年もの間ずっと願い続けたグクに、間違いなかった
なのに、
そっとグクの顔が近づいて来た途端、何故か全身に寒気が走り、鳥肌が立って
🐣「いやぁっっ」
僕は、ぐいっと顔を背けて、近づくグクの胸を手で乱暴に押し戻してしまう
意志とは違う体の動きに混乱する
🐣「え、、違う、、違うよ、、泣
キスして、、ねぇ、、無理矢理でいいからっ、、僕にキスしてよっ泣」
グクの涙が、ぽたっぽたっと2粒降ってきて僕の頬を濡らした
もう僕は、
自分の番ではないグクを、
番以外のαを、
受け入れられない体になっていた
🐣「泣かない、、で、、よ、、、泣」
瞳が落ちてきてしまいそうなほどに、うるうると潤んだ目で、
グクが悲しげに笑って、首を横に振った
🐰「ごめんね、、、できないや、、、泣
さっきも同じだったから大丈夫だよ、、泣
ほら、、、もう1回寝よ、、ヒョンは疲れてるから、、、ね?、、泣」
そう小さく言って、打ちのめされた表情を浮かべて僕の上から離れていってしまう。
なにが大丈夫なの?
なんにも大丈夫じゃないよ?
僕はただ、グクの服を握ることしか出来なかった
その握った服すらも、あっけなく指から逃れて離れてしまう
グクが隣で、僕に背を向けてしまった
🐣「こっち、、向いて、よ、、、」
彼の背中にこつんと頭をつけると、グクは少し身じろいで反応したがそれでも振り向いてくれない
触れたグガの身体が震えていて顔をあげた
🐣「グガ?、、、震えt、、ハッ、、、、」
グクは泣いていた
肩をふるふると震わせて静かに。
僕に泣き顔を見せないように。
こんなことになってまで僕を困らせないようにって。
その押し殺した泣き声が、空気が冷めきってしまったこの部屋に、微かに響いていた
コメント
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これ辛いなぁぁぁぁ...涙でました😿 本人が近づきたいという意思があっても項を噛まれてしまった以上は自然と体が拒否してしまうんですね...😭辛い😭
初コメ失礼しますm(_ _)m めっちゃ泣けてきました😭😭 グクぅぅぅぅ😭 ジミンんンンン😭😭
自然と涙が😭😭辛すぎます…拒否反応起こしちゃうなんて、、、でも続き気になる、、頑張ってください!楽しみにしてます。Happyendになるといいねジミンちゃんとグクが幸せにしてるとこ待ってるよ