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それから数日後、記憶喪失の女性、エウリはすまないスクールでのお手伝いとして働くこととなった。
記憶喪失だが、基本的な常識は覚えているようだ。
「あ、すまないくん♪」
「わっ!風夜くん」
ふわりと風夜が上から降りてきた。見た目は少年だが、彼は“世界の過去を写す魔導書”
神様が作り上げたもので、かつてすまないの過去を知っており、すまないに“知識”を与えた者。たまにこうして“風夜”として地上へと来ることがあった。すると、
「あ、すまないさん!ここのところなんですけど・・・あら?」
と、エウリはすまない先生とその近くにいる風夜に気がついた。すると、
「・・・“君、どうしてここに・・・?”」
と、風夜がこぼした。だが、それにエウリは首を傾げた。
「す、すみません・・・どこかでお会いした事ありましたっけ・・・?」
その言葉に風夜は驚いたように目を丸くした。
「・・・風夜くん?」
すると、風夜は難しい顔をしていた。
「・・・そっか・・・いやぁ、ごめんごめん!僕の知り合いに似ててさ!あ、僕風夜って言うんだ!よろしくね!」
と、風夜は先程の暗い表情から打って変わって、笑顔を向けた。それにエウリも笑顔で答えた。
(・・・風夜くんの知り合い・・・なのかな?)
すると、
チクリッ
「・・・?」
ふと、胸の辺りがチクリと痛んだ。だが、外傷も無い。
「・・・気のせい、かな・・・」
そうすまない先生はこぼした。
✵✵✵✵✵
エウリからの用事を済ませ、すまない先生は風夜に聞いた。
「風夜くん、これから授業受けていく?」
すると、風夜は頭を横に振る。
「すみません、ちょっと調べたいことがあるので、今日は・・・」
「そっか、調べたいこと?」
だが、その“調べたい”ことについては、風夜は“一切何も言ってくれなかった”