薄暗い月明かりを浴び、ニヤリと微笑んでいるその顔には見覚えがある。
「お前…なのか?…………。」
第1話 記憶
────音楽室────
天乃絵斗は行方不明の弟の呂戊太を見つけるために、夜の学校に忍び込み、手がかりを探していた。
絵斗:「ん〜…無いなぁ…。ていうか、久しぶりにピアノでもひこうかな〜♪」
──ガチャッ──
絵斗:「うわっ!!!!」
??:「わぁぁ!びっくりしたぁぁぁ…」
ドアを開けたのは4人の子供達だった。
??:「刑事さんが何でこんな所に?」
絵斗:「実は、行方不明になった弟のロボロを探しに来たんだけど、なかなか手がかりが無くてな。」
??「ロボロの、お兄さん?!僕達、ロボロのダチや!」
絵斗:「そうか!じゃあ、改めて。 俺は”天乃 絵斗”。一応、刑事を勤めている。」
希:「俺は”鳥居 希”!まぁ、ゾムって呼んでや」
大:「”鬱島 大”.。みんなからは鬱先生って呼ばれてます( ‘֊’) 」
豚平:「俺は”百瀬 豚平”!あだ名はトントン!」
孝行:「捏島 孝行!!よろしゅうな!」
絵斗:「自己紹介はこのへんにしといて…君たちの今の状況を教えてくれるかい?」
4人はそれぞれことの経緯を話し始めた。
絵斗:「なるほど…」
コネシマ:「はい、出会ったら速射で(笑)」
絵斗:「え、いいの?(笑)」
トントン:「この学校には徘徊している先生がいるんです。その先生は、僕達を見ると殺そうとしてくる!」
コネシマ:「鎌で殺そうとしてくるんです。」
絵斗:「鎌?その青い先生やばいね(笑)」
ゾム:「6年1組の”猿山らだ男”って奴(笑)」
その名前を聞いた瞬間、 絵斗の頭に鋭い痛みが走った
絵斗:「いっっ…!!!、」
4人:「刑事!大丈夫ですか?!」
絵斗:「ゾムくん…それ、本当…?」
ゾム:「せや…大丈夫か?天乃刑事…」
絵斗:「う、うん。大丈夫…。」
口では大丈夫だと言っているけれど、 大丈夫なわけ無い……だって、
数年間も片思いをしてきた初恋の人と 同じ名前だったから………。
絵斗:「そのらだ男って人について、教えてくれるかい?」
鬱:「6年1組の体育教師で、既婚者です!ま、仲は悪いかもしれないすけどwww」
コネシマ:「なーんか、ゾムの事一方的に嫌ってるよな(笑)あたりが強い?っていうか…」
絵斗:「そうか……」
コネシマ:「あいつ来たんちゃう?!」
トントン:「まじかよ!」
ゾム:「タイミング悪すぎ!!」
らだ男:「みぃつけたぁ♡」
コネシマ:「きっしょ!!!」
らだ男:「お前らぁぁ…早く帰れぇ」
絵斗:「っ………、!」
その血塗れの青い男を見た瞬間 絵斗は昔のことを思い出した。
絵斗:「──!一緒に帰ろうぜ!」
モブ:「良いよ〜!」
絵斗:「あ…俺、補習あったわ(笑)」
モブ:「おいー!」
絵斗:「今度帰ろうぜ(笑)」
(絵斗):「そうだ…この時、俺が補習してて…」
───放課後───
絵斗:「くっそ〜!帰るの遅くなった!」
誰かと曲がり角でぶつかった
絵斗:「痛っ……!」
??:「ごめんね?怪我はない?」
そっと手を差し伸べてきた人は─── 紛れもなく、猿山らだ男だった。
絵斗:「あっ、!すんません!」
(絵斗):「らっだぁ…………。」
後々、絵斗はらだ男と関わることが多くなり、親友となった。良く【らだぺんコンビ】と呼ばれるほどにもなった。
絵斗:「らっだぁー!帰ろうぜ!」
らだ男:「ペンちゃんか。今日は補習無いの?」
絵斗:「それが、無いんだなぁ♪らだ男に勉強を教えてもらったおかげで赤点回避!!」
らだ男:「おお!良かったじゃん!」
(絵斗):「あの頃は……楽しかったな……」
絵斗:「っ…………!!」
──:「…………!」
「あ……で…!」
「天乃刑事!!!!」
絵斗:「はっ……!!!!!」
コネシマ:「天乃刑事!大丈夫ですか?」
絵斗:「うっ、……あ、あぁ。大丈夫だ。らだ男は?」
鬱:「とりあえず、ゾムが今囮に…」
絵斗:「なんだと?!」
トントン:「どうしよう……」
絵斗:「俺は助けに行く。君達は先に行ってて!」
コネシマ:「天乃刑事!!!!」
───1F廊下───
ゾム:「はぁ…はぁ…」(ダッダッダッ)
らだ男:「ゾォォォムゥゥゥ、お前だけは殺したいんだぁぁ!」
ゾム:「クソッ…」もう遅いか…。
絵斗:「ゾム君!!!こっち!」
ゾム:「天乃刑事!」
らだ男:「……………。」(ピタッ)
ゾム:…、足が…止まった……?
第1話 記憶 終わり
コメント
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続きが楽しみすぎます!?