涼ちゃんの呼吸は、すでに不規則だった。
元貴の舌に何度もなぞられた胸元は、
クリームの甘さ以上に、肌の奥から熱を帯びていた。
けれど――元貴はまだ満足していなかった。
「……涼ちゃん、もう我慢しなくていいよ?」
「……っ、してない……我慢なんか、してない……っ」
「じゃあ、もっと教えてよ。
涼ちゃんが甘くて美味しいって、俺の舌で感じさせて」
そう言って、元貴はゆっくりと涼ちゃんの足元へ手を伸ばした。
ズボンを引き下げ、下着をゆっくりとずらす。
そこに――既に反応しきって、張り詰めていた涼ちゃん自身が現れた。
「……うわ、めっちゃ熱持ってる。
涼ちゃん、ケーキより先にとろけそうじゃん」
「……言うなよ、ばか……っ」
けれど、その声はもう拒絶じゃなかった。
微かに掠れて、どこか期待を含んでいた。
元貴はスプーンにケーキをひとすくい取り、
そのまま、涼ちゃんの“そこ”へと――クリームをたっぷり塗りつけた。
「ひっ……! もとき、や、なに……それ……!」
「お誕生日ケーキ。特別仕様」
ホイップが熱でじゅるっと溶けて、
先端から滴り落ちそうになるのを、
元貴の舌が逃さずすくう。
先端、裏筋、付け根。
すべてにクリームをのせては、ぬるぬると舌で撫でる。
「ん、ぁ……っ、だめ……っ、もとき……それ……ッ」
「甘い、甘すぎる。
もう、ケーキじゃない。……涼ちゃんが、ご褒美そのもの」
舌先が、根元から先端へぴたりと這い上がった。
途端に涼ちゃんの背が跳ね、喉が震える。
「う、あ……っ、も、イきそう……」
「誕生日なんだから、何回イったっていいよ」
「ちょ……、や……も、もうっ……!」
元貴の指が涼ちゃんの太腿を固定して、
舌と唇を総動員して執拗に咥え、舐め上げる。
あふれそうなクリームが舌に混ざり、
涼ちゃんの熱と甘さが交じって、喉にとろけ落ちていく。
「もっ、もとき、だめ……っ、でるっ、もう――ッ!」
「いーよ、出して。
今日だけは、俺のためにも、たくさん味わわせて」
次の瞬間、涼ちゃんは限界を迎えた。
「あああっ……っ、もときっ、ああっ……!」
ぴくぴくと跳ねる身体。
吐き出される熱が、クリームごと元貴の舌に広がった。
甘さと、しょっぱさと、誕生日の証が混ざり合う。
しばらくして、元貴は顔を上げ、
濡れた口元のまま微笑む。
「涼ちゃん、ねぇ……俺、今年のケーキ、すごく気に入った」
「……っ、変態……」
「でも、誕生日にしかできない贅沢でしょ?」
「……もう、来年の誕生日、怖いんだけど」
「怖くても、また食べさせて?」
涼ちゃんは照れくさそうに顔をそらしたまま、
小さくうなずいた。
その仕草ごと、愛おしくて、
元貴はもう一度――何も塗られていない唇にキスをした。
END
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