春の訪れと共に俺ら日常組は日常大学に入学した。
「いや〜今日はいい天気だな!」ぺいんとは両手を空に向け、背伸びをしていた。
「ぺいんとさーんおはようございます!」こちらに向かって、大きく手を振りかざしながら向かってくる人影が見えた。
しにがみくんだ。
ぺいんとは見つけた途端駆け寄りしにがみの肩に手をかけ、満面の笑みを浮かべた。
「おおーしにがみ!おはよう!」
「今日から大学生活の始まりですね!」
「そうだな!めっちゃ楽しみ!」 ぺいんととしにがみは肩を抱き合いながら、大学を見つめ目を輝かせていた。
ふと、しにがみは目先の群衆に目が止まった。
「あそこいっぱい人いますね?何をしているんですかね?」
「んー?どこどこ?」ぺいんとは周りをキョロキョロと見回していた。
「ほら、あそこですよ。」しにがみが指を指しながら答えた。
「ん?あれって…..」しにがみは何かに気づいた。
「なんだよー焦らすなって〜」ぺいんとは頭の後ろで腕を組みながら、ため息混じりに言い放った。
「あれ、人の集まりの真ん中にいるのってらっだぁ先輩じゃないですか?」
「え”?!まじ!?」先程まで頭の後ろで腕を組んでた両手をおろし、必死になりながららっだぁをさがした。
見つけた。
ぺいんとは少しドキッとした。
理由はらっだぁに片思いをしているからだ。日常大学に入学したのもらっだぁと同じ大学の肩書きが欲しかったからである。
その時、らっだぁと目が合い、ぺいんととしにがみのところへ手を振りながら歩み寄って来た。
「よーぺんちゃん達もこの大学入学したんだー」
「はい!これからよろしくお願いします!」
ぺいんととしにがみは元気よく返事をした。
「日常グループはどこの学科なのー?」
らっだぁはズボンのポケットに手を突っ込み気さくに話しかけた。
「俺としにがみは日常第1学科でクロノアさんとトラゾーは日常第2学科です!」
「へーぺんちゃんとしにがみくんは俺と一緒の学科なのね。これからよろしくー」
らっだぁはぺいんとの肩を軽く叩いた。
「おーいらっだぁ何してんの早く行くよー」
らっだぁと同学年の金豚きょーが遠くから話しかけた。
「はいはーい。じゃ、俺行くわ」と言い放ち友達のところに戻ろうとした。
「あ!ちょっと待ってください!」とっさにぺいんとはらっだぁの服を掴んだ。
「ん?どしたー?」
「LINE繋がりませんか?!」
ぺいんとは頬を赤らめながら、らっだぁを見つめた。
「いいよ〜笑」
「ありがとうございます!」ぺいんとはその一言が嬉しすぎるあまり、らっだぁに抱きついていた。
ぺいんとは、ハッと気づいてすぐ抱きつくのをやめた。
しかし、気づいた時には遅かった。
らっだぁは腹を抱えながら笑った。
「何、笑。そんなに俺とLINE交換したかったの笑。高校の時でもLINE交換してあげたのに笑」
ぺいんとは恥ずかしくなりLINEを交換した後小さな声でお礼を言い放ち、しにがみを置いて走り去って行った。
「どうぇー?!ちょっとぺいんとさん!置いて行かないでくださいよー!」
しにがみはらっだぁに軽くお辞儀をした後ぺいんとの後を追った。
らっだぁは抱きつかれたことを思い出し、少し照れくさくなった。
(くそ、可愛すぎ…………)
コメント
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新作はノベルで投稿してみましたがチャットとノベルどちらがいいとかありますか?参考にしたいのでコメントよろしくお願いします!m(_ _)m