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いじめっ子には【教育】を 後編

時刻は18:00。そろそろアイツらが来る時間帯だ。

夕日であたりは橙色に包まれ、建物の影が綺麗な紺色になってアスファルトの通学路を闇に染めている。捕える人数は3人。あのSNSと彼女からのいじめの話から特定していくと実行犯は間違いない。

影に隠れて様子を伺っていると、奥から横に並んで話している男子3名が見えてきた。そっと息を殺して内ポケットからスタンガンを取り出し、3人が通り過ぎた後にすかさず引き金を引いた。

バチン

電流が弾ける音と共に撃たれたゴミはバタンと前のめりに倒れた。

狼狽える2人にできた隙を僕は見逃さず、アスファルトを強く踏み込み、飛び出して拳を前に振るい片方のクズの鳩尾に一撃を入れた。クズは叫ぶ暇なく倒れ込んだので残りのゲスはショックで腰を抜かしてペタンと座り込んだ。声も体も動かないので楽に気絶させる事ができて一安心だ。近くに停めていた軽トラックに3人を乗せて楽しい楽しいHR室にまで運んでいくことにした。


「おい!おきろ!!」

大声でそう言われて俺は不機嫌に目を覚ますと、見知らぬ場所が広がっている。あたりは真っ暗で何も見えず、熱電球が俺たちを照りつけるように光を浴びせて眩しい。体を動かそうとしても俺たちは丸太のように太い角材に縄で縛り付けられているのおり、俺らの足元には藁や枯れ草が山のように敷き詰められている。

「なんだよここ…」

「知らねえよ。それよりもなんで俺ら縛られてんだよ…」

「あ、おはようございます。」

男の声がカツカツと靴の音と共にこちらに向かって来る。電球の光にあたり、姿を捉えることができたが、男はどこか不気味な雰囲気を出して

「お前誰だよ!!」

友人の1人が言い出して俺らは次から次へと男に言葉をぶつけていく。

「うるさいですよ。ここコンクリートで囲まれた室内なので結構響くんです。」

耳を指で塞ぐ素振りで俺らを煽ってくる。こんなに煽られたのは久々で俺らの怒りはあっという間に吹きこぼれた。


怒声に罵声、これが県内の進学校の生徒だとは笑わせてくれる。

もう指導も面倒くさくなってきたが、サッと終わらせてはコイツらのためにはならないだろう。僕はポケットからスマホを取り出して、例の画像らをコイツらに見せる。

「これ、投稿したの貴方達ですよね?」

見事にスマホに目をかっ開いて釘付けになっている。3人とももう気づいたのだろう。

「違う…こんなの載せてない!!」

「嘘つくなよ。垢名とプロフィールにバッチリ君らの名前が記載されていますよ。それに僕が直していきたいのはそこだけじゃないんです。この家、そしてこの座っている女生徒に見覚えはありますよね?」

無言の空間にしばらくして聞こえたのは乾いた僕の笑い声のみ。無言は言い換えてみれば『はいそうです』と言っているようなものだ。嘘を貫くのならそこら辺も徹底してもらいたいものだ。

「…では質問を変えますね。今、どう感じていますか?

3人とも先ほどまで一点をまじまじと見ていたが、質問を聞かれるとバラバラに視線を崩した。

「申し訳ないと思っています。」

「自分の犯したことは償っていきたいです。」

「本当にごめんなさい。」

流石、お説教には慣れているのだろう。負い目を感じているようにするフリは一丁前にできていることに感激を覚える。

だがそれは僕にいうべきことではない。僕はあくまでも彼らに教育する機会を与えているだけ。

換気扇を起動させるとグワグワ音を立てて空気を吸い込んでいく。

「中世ヨーロッパでは、よく女性を魔女狩りと称して民衆の目の前で殺されていました。」

近くに置いておいた松明を手に取りガソリンを先端に浸して火を灯すと、すぐにメラメラと炎が踊り出す。男達はこの後自分がされる事を想像してしまったのだろう。顔がみるみる青くなっている。

「焼死は…この世で1番苦痛を伴うらしいです。」

「やめて!!殺さないでぇ!!!!」

「ごめんなさい、ごめんなさい!!!!」

「火炙りは通気性の良い素材、場所で行われるので一酸化炭素中毒になる事が低い。」

「助けて!!」

「なので苦痛は貴方達が炭になるまで続くんです。」

歯がガチガチと鳴り涙をボロボロと流すほどまで怯えている。自分がその立場にならない限り、わからないものなのだろうか。

やはりコイツらには教育が必要だ。授業号令はないが、僕は笑って授業を始めよう。

「これから、授業を

バタン

背後からの大きい音が部屋全体に響き渡る。後ろを振り向くとそこには、家で寝ていたはずの女生徒が今にも倒れんではないかとフラフラと立っている。少し離れていても聞こえてくる荒い呼吸音。まさか走って来たのか?

「…なぜ、ここに?」

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