TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

この作品はお名前をお借りしているだけでご本人様とは関係ありません。










小柳ロウの家に泊まりに来ていたあなた。


だけど、ささいなことで口論になってしまい、気まずいまま深夜を迎えていた。


ロウはリビングのソファに座ってスマホをいじりながら、あなたと距離を置いたまま。


あなたもベッドに潜り込んで背中を向け、言葉を交わせないまま時間だけが過ぎていった。


部屋の空気は静かで、でもその静けさが胸に刺さる。


――謝りたいのに、タイミングが分からない。


そう思いながら眠りについた深夜。


ふと、腹部に鈍い痛み。


重だるさ。


そして、シーツに触れた時の、冷たい嫌な感触。


「…………えっ……」


薄明るい部屋でそっと布団をめくると、うっすらとシーツが赤く染まっていた。


生理が来てしまった。


昨日なかったのに、突然。


しかも、ロウの家で。


喧嘩中の、このタイミングで。


最悪すぎる。


「……どうしよう」


ロウに言える雰囲気じゃない。


近くのコンビニに行くにも、体調はどんどん悪くなっていくし、下腹がズキズキする。


けど、シーツは汚したままにできない。


なんとかしなきゃ。


あなたは立ち上がろうとするけど、ふらついて膝をつく。


リビングからロウの声が聞こえた。


「…起きたなら、別に声くらいかければいいのに」


まだ少し不機嫌らしい。


あなたは震える声で「うん…」と返すのが精一杯。


するとロウがスタスタと寝室に入ってきて、あなたの様子を見ず、 淡々と朝ごはんを食べる準備を始めていく。


「ほら、昨日の続き話すなら朝のうちに言っといた方がいいし。…機嫌悪いまま出かけんの嫌だしさ」


あなたが明らかに青い顔で立っているのに、ロウは喧嘩のことばかりで気づかない。


無理に笑うあなたを、ロウは“まだ怒ってるだけ”だと思ってしまう。


「またそれ?拗ねてんの?」


ロウは軽い口調で言うが、その声が刺さる 。

あなたは息を整えるだけでも辛い。


あなたがなんとか動こうとしたその時、ロウがベッド側に回り込んで言う。


「おい、まだ寝ぼけてんじゃ……」


言葉がぴたりと止まる。


ロウの視線が、赤く滲んだシーツに釘付けになる。


「……は?」


一瞬で顔色が変わった。


「おま、これ……」


あなたは耐えきれず、小さく震えながら言う。


「ごめん……ほんとに、ごめん……ッ

喧嘩してるのに、こんな……迷惑かけたくなくて……でも、言えなくて……」



その瞬間。



ロウの表情が、まるで氷が溶けるみたいに緩んだ。


怒りとか苛立ちなんて跡形もなくなる。


代わりにあるのは、焦りと心配と、後悔。


「……なんで言わなかったんだよ」


ロウは小さく息を呑んで、あなたの腕をそっと掴む。


「体調悪いの、見りゃ分かるだろ。


なのに……バカ。なんで無理すんだよ……」


声が震えていた。


ロウはあなたを抱き寄せ、


「ごめん。気づかなかった俺が悪い。

お前がこんなふうになってんのに、喧嘩のこと引きずって……ほんとに悪かった」


あなたの額に手を当てる。


「顔真っ白じゃん。立つのも辛かっただろ」


あなたが泣きそうになると、ロウはさらに抱きしめる力を強めた。


「言えねぇとか思わせた俺が悪い。

だから今は、俺に全部頼れよ」


ロウはあなたを抱きかかえるようにしてベッドへ座らせ、シーツの処理を手際よく始める。


「いいって、気にすんな。洗えば済む話だから。

お前が痛いの治る方が何倍も大事だろ」


キッチンに走って、温かい飲み物やカイロまで持ってきてくれる。


「ほら、これ飲め。

…な?怒ってねぇよ。怒れるわけねぇだろ、こんなん見たら」


あなたが泣きながら「ごめん…」と言えば、


「謝んの禁止。俺がずっとついてるから」


優しい手で頭を撫でる。


ロウは隣に座り、あなたの背中をさすりながら小さく言った。


「…喧嘩中でも、どんな状況でも、

俺の彼女が辛いの気づけない男にはなりたくねぇんだよ」


抱き寄せたあなたの額に、そっと口づける。


「だからもう一人で抱えんな。

言いにくいことも、全部俺に言えよ」


深夜の喧嘩の冷たさなんて、もうどこにもなかった。


あなたはロウの胸に寄りかかって、

痛みが落ち着くまで、ずっと優しく抱きしめてもらえた。









この作品はいかがでしたか?

4

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚