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「ん〜…まだ砂漠を抜けないのか…」
「スイ〜…」
最近それしか言ってないよね…とスイである。
まあ、それもそのはず。
前の国から2週間以上、距離にして6000km移動しているにも関わらず一切国が見つからないのである。
…流石にそろそろなにかあっても良いんじゃない?と心のなかで愚痴りたくもなる。
そんな感じで移動していると…
ゴゴゴゴ…
「え?地震?」
「スイッ!スー!」
「え?魔力感知?って下から!?」
何かが下から来ていた様子。
そして目の前の砂が盛り上がり…なにかの建造物が出てきた。
「へ…?」
ウィーン…
「コチラハ出入国管理装置NO.6デス。入国シタイ方ハオハイリクダサイ。」
「…あ、はい。」
まさかの地下にある国か…と驚きを隠せないヴィトである。
…可能性は考えていたが、本当にあるとは…といった感じだろう。
…多分忘れているだけのような気がしなくも無い。
「認証シマシタ。ヴィトサマ、スーサマデ間違イナイデスカ?」
「はい。」「スー!」
「入国処理ガ完了シマシタ。降下イタシマスノデゴ注意クダサイ。」
ガクン…ウィーン…
普通は気づくはずのない仕掛けである。というか実際気づかせる気がない。
ヴィトはしれっと範囲内に入っているが、この国の範囲には人どころか生物を寄せないようにする結界が張ってあるのである。
なので、この国には一定以上の力を持った人でないと入れないという制約があるのである。
…流石主人公。
「到着シマシタ。ドウゾオ降リクダサイ。」
「おお…やっぱり凄いな…」
ヴィトは珍しく感動していた。
まあ、無理もない。エレベーターを降りると目の前には満天の星空と盆地の中に街が広がっていたからである。
はい。ということで恒例にしようかなと思っている国の紹介タイムです。
いつもの。
で、この国を一言でいえば、魔法工業の国です。以上。嘘だよ。
それで、一番の特徴が、ダンジョンの中に街があるということです。ロマンを詰め込みすぎた街とも言う。
主な住民は、ハーフリングやドワーフです。
「ここなら銃も作られてるかな…?」
「ス〜…」
んなわけあるか。とスー。
「まあ、うん。そうだよね…」
ということで、流れ星亭というロマンチックな名前の宿の部屋を取った後、ヴィトは武器屋に直行していた。
「ん〜…流石にインゴットは置いてないか…」
とつぶやきながら歩くヴィト。
いや、武器屋に金属のインゴットは置いてないだろ。
「すみません〜金属のインゴットってどこかで買えたりしますか〜?」
「おう、また珍しい客だな。街の中心にある噴水広場の近くにあると思うぞ。」
「ありがとうございます〜」
いい情報を手に入れたヴィトは早速移動するのだった。
そして、現在インゴットを中心に素材などを扱っている店に来ている。
…ここで、前の国に続き出会いがあることをヴィトはまだ知らなかった。
「すみませ〜ん、このミスリルいくらですか〜?」
「はい、お嬢ちゃん。」
「…プレイヤーですか?」
「っ!?」
ヴィトにプレイヤーか?と問われ驚く店主。
正直、ヴィトはプレイヤーか?と問わなくてもここの店主がプレイヤーであることを分かっていた。
実は、プレイヤーホイホイ…ネーミングセンス皆無なトラップを自分に仕掛けていたのである。
言い換えると、ただ単にプレイヤーにだけ女性と性別がわかるように偽装しているのである。
「すまん。同輩か。ここの国に来る旅人があまりに少なくてな。そういえば、名前は?」
「ヴィト。」
「え?創設者の?」
「そう。」
だから読者が分かんない様な話をするのはやめてくれ。
えっと、ヴィトは「国際旅人連合」という組織の創設者です。…1章の最後にもう一度出てくるのでそのときに詳しく解説します。
…めんどくさいだけともいう。
「…俺の名前はガドルだ。で、ミスリルだっけな?ちょっと待ってな。」
そして、1分後に戻ってきた。
「40シルだ。」
日本で言う4万円である。
「はい。…どうぞ。」
「丁度だな。後…おまけだ。」
「ありがとう、また来るかも。」
そして、ヴィトは店を去った。
「冒険者登録って出来ますか?」
どうしてこうなった。
まあ、ヴィトはここがダンジョンということには気づいていたのだが、そのノリで冒険者ギルドってあるのかな〜と探していたらあったので飛びついたといった感じである。
「ん〜…難しいわね。実力を示せば行けるけど…」
「あ、じゃあお願いします。」
難色を示す受付嬢に試験を受けたいと言い、唐突に冒険者登録を賭けた戦いが始まるのだった。
「すい〜?」
「大丈夫かって?まあ、大丈夫でしょ。…え?あ、相手のことか。」
主人であるヴィトではなく相手を心配するスー。
…仕方ない。
「こんなチビっ子が冒険者にぃ…?」
「はい、お願いします。」
今回の試験官…もとい犠牲者は、まさかのSランク冒険者である。
ただし、ヴィトより強いとは言っていない。
というか正直、ガドルよりも弱い。
Sランクとは。
ちなみに、試験官の装備は大剣である。
「分かった。おい、小僧。手加減はしないからな。」
「はい。」
「では…5、4、3、2、1…始め!」
始めと言われたタイミングで、ヴィトは相手の目の前に行き、大剣と打ち合った。
ガァン…
「やぁっ!」
そして…相手の大剣を切り落とした。
…切り落とした。大事なことなので2回言いました。
「くっ、舐めるなよ!」
そう言い、相手はまさかの隠しナイフを投げた。
大人気なさすぎる。
しかし、そこはヴィト。ナイフを打ち返し、それと同時にスキルを発動した。
「『縮地!』」
そして…
「俺の負けだ。」
そう言わせたのだった。
「では…」
「と言うとでも思ったか!『ファイア・ブラスト!』」
「ちょっと、レナードさん!?」
どうやら、この試験官はレナードと言うらしい。
…大人のプライドはどこに行った。
そして、レナードが放った…放とうとした魔法は…
「『相殺魔法:水』」
呆気なく相殺された。
「で、まあ、試験官にも関わらず不意打ちしようとしたそこの馬鹿は置いときまして…また扱いの難しい新人が現れましたね…」
「ですね…」
「えっと…発行してもらえますか?」
そう、ヴィトは問いかけた。冒険者ギルド長室で、ギルド長に。
まあ、いつものです。
で、ヴィトの問いにギルド長は…
「まあ、十分実力もあるようだし、いいだろう。発行の準備を。」
「はい。わかりました。」
そういい、この部屋にはギルド長とヴィト(とスー)の二人と一匹が残った。
「で、きみのスライムを見せてもらえるかい?」
「はい。スーちゃん〜」
「ス〜!」
まさかの、入国時の情報をギルド長も知っていた様子。
この国の防衛は冒険者に任されているので当然と言えば当然なのだが。
「ありがとう。…やはり、貴方は旅人なのだな…」
なんか珍獣を見る目で見られるヴィト。
「ギルド長、持ってきました。」
「ありがとう。…ヴィト君だっけ?このクリスタルに触れてくれないか?」
「はい。」
そう言い、クリスタルに触れると、クリスタルが死ぬほど光りだした。
そして…
パァン…
割れた。…まあ、割とこういう小説では良くあることだ。
「ヴィト君…君は何という魔力を持っているのだ…」
「ああ、それ、魔力測定装置だったんですね…」
あ、これやらかしたかも…と心のなかで焦るヴィト。
そして…
「はい。これを使ってください。」
代用品を出した。
…何で持ってるんだ。
「あ、ありがとう…とりあえず、初期で上げられる最高ランクのCにしとくよ。」
「あ、はい…」
まあ、うん。いつも通りだろう。きっと。
ということで、無事?冒険者になれたヴィトであった。
…無事なのか?