Rion side
「なぁ、好きな子からチョコ貰うにはどうすればいい?」
俺は部活中、休憩がてら光琉に聞いた。
「は!?そんなの俺が知ってるわけないじゃん。あ、それとも何、嫌味?」
「なんでそうなるの。」
「うっわ無自覚。1番タチ悪いわ。お前は俺よりモテるだろ。そんな事お前よりモテるやつに聞いた方がいいんじゃないの?」
「例えば?」
「うーん、一条とか」
「絶対やだ!」
思わず反射的に答えた。
「なんでだよ。何があったんだよ。お前よりモテるやつなんて一条くらいしかいないだろ。」
「…他に居ないの?」
「いないね」
「どうしても?」
「絶対に」
一条はなるべく避けたい。なんとなく俺のプライドが許さない。
「やだって言ったってそれで月ちゃんからチョコ貰えなくてもいいのかよ」
「それはやだ」
「だろ?」
「仕方ないか…」
という訳で俺は光琉に付いてきてもらってサッカー部の軍団の中にいる一条を呼び寄せた。
「どうしたの?」
「どうすれば好きな子からチョコ貰える?」
若干不貞腐れながら聞いた。
「あはは…急だな…。うーん、僕もよく分からないけど女の子たちの話によると、逆チョコっていうのがあるらしいよ。」
「逆チョコ?」
「うん、男の子が女の子にチョコを渡すの。」
なるほど。でもそれだと貰えることにはならないよな…
「あ、あと好きな子の前でチョコ欲しいアピールをするといいっていうのも聞いたことあるよ」
内心一条に聞いて正解だったかもと思ってしまう自分が憎い。
「わかった。ありがと」
「うん。頑張ってね」
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