テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ニキシド、学パロ
大学生設定
あくまで「二次創作」、本人様には一切関係ありません
ニキがヤンデレ気味の共依存。シードがいつにも増して純粋
夕暮れのキャンパス。シードが友達に囲まれて笑っている光景を、ニキは少し離れた場所から静かに見つめていた。
男女問わず引き寄せられるシードの明るさは、いつもと同じ。だが、今日のニキの胸に広がるのは、暖かな誇らしさよりも冷たく鋭い感情だった。
***
「ただいまー。ニキ、おるー?」
屈託のない笑みで鍵を開けたシードを迎えるのは、黙り込んだニキの視線。黒い瞳は柔らかく見えながら、奥底に冷えた炎を宿していた。
「……友達と楽しそうだったじゃん」
「え?ああ、おん。別に普通に話してただけやけど」
「そ。_普通に話すのが、あいつらでもいいんだ」ま
言葉は優しい調子なのに、空気は徐々に濃く、重くなる。シードは苦笑して誤魔化そうとするが、ニキは一歩、また一歩と距離を詰めてきた。
「シード。僕から目逸らさないで。」
「……ニキ?」
次の瞬間、背中が壁に押し付けられた。力強いわけじゃない。けれど、逃げ道を塞がれる感覚は、鎖のように確かなものだった
「どのくらいシードが好きか、教えてあげなきゃダメ?」
耳元に落ちる囁きは、優しいはずなのに鋭い棘を含んでいる。
シードは息を呑む。
ニキの指先が、自分の携帯を無造作に取り上げるのを見たとき、ようやく気付く。これまで知らずに許してきた無意識の束縛は、もう境界を越えていたのだと。
画面を確認するニキの目は、まるで細かい網でシードの心まで絡め取るようだ。
「シードは僕だけでいいのにさ。僕だけに監視されて、僕の中で生きてくれればいい」
柔らかい声が、牢獄の鍵のように響く。
シードは言い返そうと口を開くが、ニキの唇に塞がれ、音は溶けて消えていく。
___逃げられない。
だけど、不思議と完全に抗えない。
甘美で危うい檻が、今、ゆっくりとシードを閉じ込めていく。
壁に押し付けられたまま、シードは浅い呼吸を繰り返す。ニキの視線が鋭く刺さる度に、心臓の鼓動が速まっていく。
「……ニキ、苦しいんじゃけど、」
小さな声で訴えると、ニキはふっと笑った。優しく見えるのに、どこか歪んだ笑み。
「苦しいくらいがちょうどいいよ。シード、僕から逃げようとするんだし。」
「逃げへんって」
「嘘。シードは誰にでも愛想なんか振りまくから」
携帯を机に置いたニキは、カチリと小さな音を立てて鍵をかける。部屋のドアも窓も、気づけばすべて閉じられている。
まるで世界から切り離されたような空間に、二人きり。
「シードはもう外に行かなくていいよ。ここにいて、僕だけの視界に」
その言葉は甘い囁きでありながら、牢獄の鎖のように絡みつく。
シードは抵抗の代わりに、ニキの服を掴んだ
「…俺、ニキになら閉じ込められてもええんかなって思う。俺もやけ、ニキが居らんと落ち着かんのは」
その答えにニキの瞳が震え、次の瞬間強烈な抱擁がシードを飲み込む
「………やっと言った。」
首筋に沈む熱い吐息。腕の力は愛情と執着の境界を失わせていく。
シードはそれを拒むどころか、安心するように目を閉じた。
抱き締める腕の中で、シードは小さく息を吐いた
「ニキに閉じ込められて、ずっと一緒におれるなら俺、それでもええよ」
囁く声は震えていない。むしろ安心に満ちていて、ニキの胸を深く満たした。
「シード…。お前ってばほんと、僕を甘やかすんだから」
「違うやろ。俺が欲しいんは、ニキに甘やかされることやけ。俺、ニキがおらんかったらダメじゃけ、ずっと傍におってな」
その言葉は鎖よりも強くニキを縛り付ける。
シードを繋ぎ止めようとするはずが、気づけば自分の方が抜け出せなくなっている。
「…そう言われちゃったら、もう手放せないじゃん」
「最初から放す気なんてないくせにな」
互いの瞳が絡む。笑みと執着が混ざった視線。
触れる唇は「誓い」というより、「呪い」のように深く、長く重なる
やがてニキはシードをベッドに押し倒した。
強引ではなく、逃がさぬように覆い被さる仕草。
「僕が居ないと生きられんって、もっと言ってよ」
「……俺、ニキなしやと、ほんまに息もできん」
囁きが重なり、甘さと依存が絡み合う。
檻の中は、二人にとって牢獄ではなく最も安らぐ場所になっていった。
__その扉を開ける理由なんて、どこにもない。