nkside
『…』
br「珍しく早起きだね」
『!!』
『…ぶるーく』
珍しくはないんだけどね。
朝のベランダ
少し蒸し暑さが残っている。
『……おはよ』
にこりとわらい、恋人を見つめる
br「おはよぉ」
ふわふわとした口調で挨拶を返してくる。
起きたばかりなのか、寝癖が着いたままの髪の毛と少し伸びた服が愛らしい。
br「なにしてんの?」
『…お花』
『紫陽花育ててるの』
br「アジサイ?」
br「育てるの大変じゃない?」
…
『もう半年くらい育ててるよ。』
br「ぁえ、そーだったんだぁ」
気づかなかった、と笑う。
『…結構目立つと思うけどなぁ、』
まぁ、仕方ないか。
いつも家に居ないもんね
br「なんでアジサイ?」
『…綺麗だから。』
『この色が好きなの』
それに、花言葉も好き。
『…ぶるーくにぴったりなの』
br「アジサイが??」
『うん』
『ふわふわしてるのも、ちょっと似てる』
br「えぇ〜?w」
『あ、』
天からの命の雫。
br「わッ、雨じゃん…」
早く入らないと濡れるよ、と手を引かれる
『…そうだね』
パタリ、とベランダの窓が閉められる。
『…今日もお出かけ?』
br「今日は午後に仕事が入っちゃってるから午前中の間になかむとイチャイチャしようかなぁって」
『…』
何も言わない。
微笑むだけ
br「…なかむ?」
『ねぇ、ぶるーくは紫陽花好き?』
br「え、?」
いきなりの質問に戸惑いを見せるもすぐに返事をする。
br「なかむが好きな物はなんだって好きだよ」
『…』
『紫陽花ってね』
『夏に花を咲かせるのに、水がないと生きてけないの』
『…この時期は雨が少ないでしょ?』
『だから今日の雨はとってもラッキーなんだよ』
br「へぇ〜」
心底興味がなさそうな返事
『…俺にはね』
『俺には恵の雨が降ってこないんだ』
br「…」
『…』
『俺、知ってるよ』
br「…なにを?」
『…』
『ぶるーくって、本当に紫陽花みたいだね』
紫陽花には色別に花言葉が別れる。
それが、本当にそっくり。
白は一途な愛情。
ピンクには強い愛情。
紫や青は浮気や知的、無常に冷酷。
全部
俺が感じた気持とお揃いなの。
白は俺で
ピンクは他の子
青と紫は貴方の態度。
愛しててくれてるのはわかる。
でもやっぱり耐えられないんだよ。
『…終わりにしよっか』
br「…は?」
『紫陽花も、もうちょっとで枯れちゃう』
俺への愛も、
俺が貴方にあげる愛も。
『もう、枯れちゃうからさ』
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ホテペトで紫陽花の花言葉が気になって調べたらこれでした。
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