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私にはテニスがあればいいそう思っていたけれど…
どうやら違ったみたいだ。
親友だと思っていたあの子と暫く距離を置かなくてはならなくなってから私は『私』ではなくなった。
テニスをしてても楽しいと思えない。
そんなことは、今までなかった。
あの子からいつか連絡が来るような気がしてLINEは繋がったままにしておいた。
…違うな。私が消したくなかったのだ。
テニスという素敵なものに出会わせてくれたあの子との思い出を。
あの子からLINEで呼び出されて、クッキーを渡された時にはビックリした。
この日にクッキーを渡された場合の意味は『友達でいたい。』
花言葉やお菓子言葉を気にするあの子らしいなと思った。
あの子と同じ気持ちでいた私には受け取らない理由もないと思った。
ーー数日後ーー
私はあの子と並んで廊下を歩く。それだけで私は幸せで満たされていくのを感じる。
ふと、前から俯いて歩いてくる人影が見えた。
その人影の姿はいつの日か『私』が比べたクラスのマドンナ。
俯いてる姿も絵になるな…なんて思ってたけど、すれ違い様に『ありがとう…。』って聞こえた気がした。
驚いて少し視線を反らして彼女を見ると、彼女の目は今まで見たことないくらい、キラキラと輝いていて力強くて。
とても印象的だったのを覚えてる。
でも、私はあの『キラキラと輝く力強い光』がなにか知ってる。
それはあの子のとなりに要られる『私』の瞳にも同じ光が宿っているから。
…クラスのマドンナと言われる彼女にも憧れるということがあるらしい。
それを知った時、彼女も私と同じ様に悩んだり、誰かと比較するような同じ人間なのだと思いながらあの子のとなりに居られる私自身を誇らしく思った。