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「うーん…葛葉起きないなぁ…」
あれから3時間。未だ葛葉は目覚めないでいる。もう眠り姫じゃん、というツッコミは心の中に留めておくことにしよう。
きっと疲れが溜まったのだろう、しばらくは監視(見守り)をする事にしよう。
「くーちゃん…」
「ん”ぅ…」
「へ」
いつもは反論してくるような呼び方をしてみると、不意に葛葉の方から声が聞こえた。
嘘でしょ葛葉、これで起きるとかもうやばいじゃん色々と。
「葛葉?起きた?」
「ぅ…かな、え?」
「そうだよ、叶だよ」
「俺、なんで、ここいんの…」
「僕が運んだ。ちょっと待ってて、薬とかもってくるね」
「!、ありがと」
起きたばかりでボーっとしてるのか分からないが、いつもは素直に感謝とかしないくせに今はすごい素直でびっくりする。
ひとまず、今は薬を持って来ることにする。
リビングにマネージャーが渡してくれた袋を置いてたから、一旦葛葉の部屋出ないとだよね。
そんな事を考えていると、不意に後ろから声をかけられた。
「かなぇ…いかないで……」
なんだ、なんなんだコイツ。
いつもは煽りまくるくせに、普段はちょっと抜けてるとこあるくせに。
風邪の時は思いっきり甘えてくるの何ぃ!!??ほんと心臓に悪いしまだ付き合ってないのにこれはマズイってもう!
と軽くキャラ崩壊しながら返事する
「いいよぉ」
…どうやら、僕は誰かに操られているみたいだ。何で?と返そうとしたつもりが勝手にいいよに変換されていた。
いやいや、薬を飲まないとマズいだろう…。まぁ『いいよ』って答えてすぐに部屋から出るのは流石に変かもだし、しばらく一緒にいてあげよ〜っと。
「かなえぇ〜…」
「ん?どしたの?」
「手繋いで…寒ぃ…」
ゴッッッ…
なんなんだ本当に…葛葉は僕をどうしたいんだ…。
普段弱ってるところを見せない葛葉がこんな甘えてくるとか、もう心臓がもたない…。
僕以外のライバーさんだったらピーーーしてるんじゃないの?と思いながら手を繋ぐ。
「んぅ…眠い…」
「熱あるんだから寝な?本当にまた気絶とかしたら僕泣いちゃう!」
と、ちょっとふざけて言ってみた。
…つもりだったんだが。
葛葉の目にみるみる涙が溜まっていく。
思ってなかった反応に慌てながらも、近くにあったティッシュを取って涙を拭いてあげる。
「葛葉、どうしたの?何か怖い事思い出しちゃったの?」
「俺、気絶してたから………叶、泣いてたの…?」
「ゑ!?いやいやごめん!嘘!冗談だからっ」
どうやら気絶していたのを申し訳なく思っていたらしいので、一旦落ち着かせる。
その後少し話してから、薬を取りに行った。
〜〜〜
気づくと、俺は自分のベッドにいた。
気絶していたのだろうか…何だか頭がぽやぽやする…。
少し目を開くと、目の前には今いるはずの無い叶の姿があった。叶は優しく声をかけてきて、薬を取ってくる、と言った。
正直に言うと、こんな優しくされるとは思っていなかった。
確かに気絶はしていたが、吸血鬼だし普通の人間とは違うからあんまり気にしなくて良いのでは…?と思ったが、普通にありがたいのでお礼を伝えた。
いつもは素直に感謝を伝えない事もあって、少しびっくりした様な表情を向けてきた。
でも一瞬でいつもの優しい表情に戻って、リビングにあるであろう薬を取りに行くのか、ドアノブに手をかけた。
いつもは何とも思わないのに、弱っているからなのか、近くに誰かが居ないのが不安でたまらなくなる。
気づいたら勝手に口が動いて
『いかないで』
と発していた。
叶はそれはもう挙動不審になり、知り合いじゃなかったら一発で警察ドナドナ案件になるような動きだった。
まぁその後少し観察したら、叶が「いいよぉ」と言ってくれた。…ん?あれ?普通断るよね???
え、挙動不審になりながら近づくやん怖ぁ。
とか相棒に対して思ったのはこれが初めてである。
せっかく近寄ってきてくれたので、ちょっぴり甘えてみるか!
まずはやっぱ寒いし、手繋いでもーらおっ!
とか色々やってたら泣きました☆
詳しい経緯は(恥ずかしいから)省くけど、まぁなんか叶が泣くとか言ってきてこっちも泣いちゃった、みたいな。
体調崩してるし、涙腺とか弱くなってんのかな俺。
でもまぁ叶の慌ててる顔見れてラッキー!…なんちゃって
「スー…ハー…」
「葛葉、落ち着いた?もー、急に泣き出してびっくりしたよ。僕じゃなくて葛葉が鳴くんだもん笑」
「…笑うな」
「ふふ、ごめんて」
「まぁ叶だし許す」
そう言った直後に叶の方から咳払いのような音がしたが、もしかして風邪がうつった、?
もしそうなら申し訳ないし、今日は帰ってもらうか…叶も配信あるだろうし。
「叶、大丈夫か?体調悪いなら帰った方が___」
「無理。葛葉が体調崩してんのに放置できるわけ無いじゃん!」
「…フハ 、何それ笑」
叶が優しすぎてもう泣きそうだわ俺!笑
と言ったら叶も笑ってくれた。
そして今言うべきか分からないが、思い出してしまった。
俺薬飲んでねぇじゃん!!!!!
叶ぇ!薬くれぇ!!!泣