テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
「さあ、…何をしましょう」
まどかさんたちと離れたのはいいのですが、何もすることがありません…。
…いや、できることはありますね。
「…私、今無職なんでした笑」
そうだった。肝心なことを忘れていた。
私は今無職なのだ。今は記録者時代のお金があるからいいが、いずれ、お金も尽きて、生活もできなくなってしまうだろう。
「…あっ」
そうだ。いいことを思いついた。
私がずっと昔から、密かにやってみたかったことをやろう。
ーーーそれは
「…ああ。ここもとても趣深いですね」
そう。廃墟めぐりだ。私は今、TOKYO CITYの中にある、とある廃墟に来ていた。
仕事を探そうかとも思ったが、まだお金に余裕はあるため、しばらくは大丈夫だろうと判断した。
知り合いに会うとは到底思っていない。が、念のためいつもと違う格好をし、帽子をかぶっている。
「…やはり、とても美しいですね」
つるが絡まった外観。 色褪せた壁。庭には雑草が生え放題。
それでも立派な2階建ての家。
ーーーかつてここには、幸せな4人家族が住んでいたらしい。
お父さんと、お母さん。子供である兄と妹の4人。
「………」
さあ、もう充分堪能した。せっかくだし、少し街の方に出て、カフェでも行こうか。
「…気になっているカフェがあるんですよねぇ…」
そこはとても紅茶が美味しいと評判の店だった。やはり紅茶のプロだと自負している私としては、気になる情報だ。
端末を立ち上げて、カフェの場所を確認する。
「…ええと。ここから20分ぐらいの距離ですか。観光がてらに歩いて行きましょう」
そうして私は目的地のカフェに向かうため、足を進める。
歩き始めて5分ほど経った頃、街の方に出るため、路地裏を通っていた。薄暗いが天気が良いからか、そんなに嫌な感じはしない。
すると 急に目の前から男が飛び出して、私に勢いよくぶつかってきた。
男はフルフェイスのヘルメットをかぶって全身が黒で統一されていたが、一瞬だけ顔が見えた。
「ーうわッッッ!!!」
突然のことだったので、私は情けない声を出しながら尻餅をついてしまった。
「…痛…」
少し打ったお尻をさすりながら起き上がってよく見てみると、持っていたカバンがなくなっている。
ーひったくりだ。その考えに至るまで、そんなに時間はかからなかった。
「…待ちなさいッッ!!!」
私は急いでひったくり犯を追いかけた。
あのカバンには、大切なものが入っているのに。急いで取り返さなければ。
距離が離れているが、なんとかギリギリ捕まえられそうだ。
ーそう思っていたのも束の間、男は高い建物の壁を超えて行ってしまった。
…勿論、私にそんな身体能力はない。
…逃げられた。
「…そんな」
自分でもわかるほど、弱々しい声だった。
「…私の…大切なお守りが…」
悲しくなり、私はその場にしゃがみ込んでしまった。
…諦めるしか…ないのでしょうか。
「ーおいコラ待てッッッ!!!」
するとそんな私の横をすり抜けてひったくり犯を追いかけていく、茶色の長い髪をなびかせている青年ー
その青年は、軽々と高い壁を超えて向こうに行ってしまった。
「…あれは…」
考えを整理する前に、後ろから二人の男が走って声をかけてきた。
「大丈夫か!」
顔を上げて後ろを見ると、青い髪の青年と長身でサングラスをかけている男性がいた。
ー私は彼らに見覚えがある。まさかこんなところで会うことになるとはー
それでも、バレてはいけないので、私は知らないふりをする。
「…え、えっと…あなたたちは…?」
青い髪の青年が答える。
「ああ、すまない。俺はネスト序列21位、《ホークアイズ》の探偵、司波仁だ」
サングラスの男が答える。
「私は記録者の枯柳杖道です」
「…そうなんですね。ネストの方なんですか」
あくまで初対面を装いながら、そういえばここは斜目町だったことを思い出した。
「何か盗まれたのか?」
「…ええ。私のカバンを」
「そうか。災難だったな。まあ瑠衣が捕まえてくれるとは思うが…」
司波さんはそう言いながら、高い壁を見つめる。
…やっぱりさっきの青年は物怪さんなのですね。
「それよりお前、怪我してないか?ひったくり犯を追いかけてたんだろ?」
なぜそれを…と問おうとしたが、そういえば司波さんの異能は【千里眼】だった。きっと私の状態を見れば一目瞭然だったのだろう。
「…ええ。怪我は大丈夫だと思…イッッッッ!!」
起き上がった時に、足首に鋭い痛みを感じた。
きっとひったくり犯にぶつかった時に捻ったのだろう。
しかもそのあと気づかず走っていたため、悪化したのだ。
少しズボンの裾をまくってみてみると、少し腫れていた。
壁に手を当てて立つのが精一杯だ。
「おい!大丈夫か!」
司波さんがそう言いながら、私を支える。
「…少し足を捻挫したみたいです。これぐらい平気ですので、気にしないでください」
少し痛いが、我慢すればどうってことない。
そんなことを考えていたが、枯柳さんが怪訝な顔をして話す。
「そんなわけにはいかない。うちの事務所が近くにあるので、手当てしていってください」
「いえ、ご心配には及びません」
「しかし…」
「すまねぇ!犯人逃しちまった!!!」
話していると、物怪さんが帰ってきた。
「…あいつ身体能力が半端じゃなくて…ッッ。俺でも追いつけなかった」
「…そうか」
司波さんは、あまり驚いてない風だった。
彼のことだ。本当は犯人が物怪さんから逃げられることを察していたのかもしれない。
司波さんは何かを考え頭をかいた後、小さくため息をついた。
「…ひったくり犯のことは後にしよう。今は情報が少なすぎるし、大きく動いて逃げられたらたまらねえからな」
「オッケー」
「………?」
「…ええと、この人は?」
物怪さんが私を見ながら二人に聞いた。
枯柳さんが答える。
「ああ、彼はひったくりの被害にあったようだ。足を捻ったみたいだから、事務所で手当てをしようと話していて…」
「いえ!ですから私は…」
私がそういうと、物怪さんは私を見ながら、いう。
「いーよいーよ、遠慮しなくて!!足、結構痛いんだろ?少し顔色悪いぜ?俺が支えるから…」
「………!」
…顔に出てましたか。私もまだまだですね。
「瑠衣に支えられるのかw?」
「なっ…。馬鹿にすんなよテメェ」
「コラ瑠衣。仁もだ。喧嘩は後にしなさい。彼は仁が支えるということで良いだろう?それが一番合理的だ」
「…チッ、…わかったよ」
物怪さんは納得していない感じだったが、仕方がないと言った風に了承の意を示した。
というか私が置いてかれている間に話がまとまってしまったようだ。断ろうと思っていたが…、ここまで来ると断りづらい。
…仕方ないですね。運命とはこういうものなのでしょうか。
すると、物怪さんは私に向き直り、言った。
「…あっ、言い忘れてた!
俺は《ホークアイズ》の記録者、物怪瑠衣だ!よろしくな!!」
「…ええ。よろしくお願いします」
…やはり、誰も覚えていないんですね。
…当たり前ですが。
…それでも、胸が痛くなってしまうのは、なぜなんでしょう。
「じゃあ、行くぞ」
そういうと同時に、司波さんがゆっくり歩き出す。
…彼も不器用なくせに、こういう気遣いはできるんですねw。
「…ありがとうございます」
「気にするな」
4人で並んで向かっている時に、司波さんが聞いてきた。
「…そういえばお前の名前はなんていうんだ?」
「………」
「私は…
…神柴健三と申します」
本編終わり⭐️
懲りずに主はまたローソンプリントしてきましたー!
今度は、眞白くん(またかよぅ。これで6枚目…)、誠一くん2枚、千トくん2枚でしたー!
健三さんが欲しいよぅ「みんなかっこいい!」
みなさんはローソンプリントやりました?
欲しいキャラ手に入りました?
よかったらコメントで教えてね♡
では今回も、見てくれてありがとうございました♪
更新頻度遅くてごめんなさい🙇♀️少し文量多くしたから許してください。
後更新する時間も遅くてごめんね。
では次回もぜひ見てください♪
コメント
2件
なんかの拍子にスワロウテイルに会って欲しいなぁ~、
うわ、まさかの再会!しかもひったくり事件をきっかけにネストの面々とバッタリ会う展開、すごくドキドキしました。主人公が「知らないふり」をしながらも「誰も覚えていない」現実に胸を痛めるシーン、じんと来ましたね…。最後の偽名「神柴健三」も気になります。これからどんな関係が動き出すのか、続きが楽しみです!
あんこ 🌠🤍💜@腐女子
230
百合愛
140
#ナイトアウル多め
#オリハウス
炭酸@サイダー🌠💙🎧️
2,385