あなたの顔が思い出せない
何度も、何度も考えた。あのトキのこと
私は、無口で無愛想な奴だった。いや、今でもそうか
そんな、”可哀想な奴”を唯一気にかけて、話してくれた”クラスメイト”くん
そいつの何もかもを忘れた。顔も、声も、性別さえも
いつしか、思い出せないところまで来てしまった。
立ち止まらなければ、いけなかった。
でも、立ち止まることが怖かった。
立ち止まれば、足を捕まれ、後ろに引きずられる。そんな気さえした
“クラスメイト”くんは亡くなってしまった。
ホームルームで、先生が重々しい雰囲気で話したソレは、耳に入れるのが苦しい内容だった
“クラスメイト”くんに関する全てのことをそのトキ、忘れてしまった
そう、私が消してしまったのだ
私はそのトキから、学校に行かなくなった
そして、17歳から20歳になって、同窓会が開かれようとしている
私は行くことにした。
3年前のあのトキのことを思い出すために
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