テラーノベル
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四月一日 璃
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「仮面をつける」
人からの評価を気にする。
誰もから見ても良い人を演じる。
人によって演じ分ける。
あいつには明るく、こいつには優しく。
本当の自分を見せると誰もいなくなる。
だから今日も演技を続ける。
自分を守るために。
でも、どんなに良い人でいても誰かの1番にはなれなかった。
自分を沢山見せているあいつが1番という人は両手の指の数より多かった。
……なんで?
乾いた笑みが溢れる。
自分はみんなの理想の良い人でいるのに。
どうして自分のことを1番に思ってくれる人はいないの?
あいつもこいつも……
自分ではない誰かが1番なのだ。
これじゃあ結局独りじゃないか。
どうやったら誰かの1番になれる?
あいつと自分は何が違う?
わからない
人に聞いてみた。
どうやったら人に好かれるのか。
快く質問に答えてくれた。
「お前って」
「自分がないよな」
「えっ?」
「なんていうか人間っぽくない感じがする」
自分がない……
「じゃあもっと自分を出せば良いのか?」
「おう!そっちの方がつるんでて楽しいだろ」
自分を出す
自分?
自分ってどんな奴だったっけ?
いつから演技していたんだっけ?
自分を隠すための演技が
いつの間にか自分を作っていた。
じゃあ、仕方ないか
ずっとこのままでいよう。
もうこれが自分なのだから。
END−18 「変化を諦めた嘘つき」
コメント
1件
ああ、このお話、すごく胸にくるものがありました……。ずっと「良い人」を演じてきたのに、誰の一番にもなれなくて。最後に「じゃあ仕方ないか」って諦めちゃうところが切なくてたまらなかったです。でも、気づいてるんですよね、それは変化の放棄で、嘘の自分だって。その自己認識の深さが、逆に痛々しくて……。正反対さんの描く、歪みながらも懸命に生きるキャラの心情、大好きです🥀