いつもと、何も変わらないはずの日常だった。
ただ普通に、普通に講義をして、学生の質問に答え、いつも通り研究室に篭っていただけだった。
「エーミさーーーん!!」
そんな声と共に、窓がパリンと割れる
「….全く、用があるなら扉から来てくださいと、毎回言っていますよね」
ゾムさん、とそちらの方を見ながら説教じみたことをする
ゾムさんはそんなもの気にしないかのような表情でニカッと笑うと手を顔の前に合わせた
「そんなカリカリせんとって!!エミさんにしてもらいたいことがあんねん!」
「頼みたいことですか?」
私が聞き返すとなにやら書類を渡してきた
「この任務の作戦を立てて欲しいねん!」
「はぁ…..構いませんがゾムさんならこれくらい作戦などなくてもこなせるのでは?」
「ん〜それはそうなんやけど、今回は結構厄介やねんなぁ…..俺と、あとひとらんも出向くことになって」
「あ〜….なるほど。ひとらんさんは慎重ですからね……」
ゾムさんは少し困ったような表情でこちらを見ていた
「….いつまでに立てれば?」
「来週末までやと助かる!3週間後、ひとらん外交でおらんくなるから」
「分かりました」
私がそう言って了承するとゾムさんは来た時と同じように窓から出ていった
「…..これ、軍資金から落ちますかね」
割れた窓を見ながら、脳内で大まかな作戦を立てる。
これが、地獄への入り口だとも知らずに。
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