125×380
380死亡後
ハピエンではないです🙏
(ミンス視点)
白い霧がかかった空間。
朦朧とするなか、人影があるのが見えた
「誰だろう…」
少し怯えながら一歩一歩近づいてみると、
それは見慣れた背中。
「姉さん…?」
380と書かれた番号
僕の言葉に気がついたのかセミは振り向く。
彼女の顔や身体は綺麗なままで…
僕は不覚にも涙が溢れてしまいそうになる。
彼女は優しく何処か悲しそうで不思議な表情だった…
「セミ…!」
僕はそう名前を呼ぶ。
だが、口の割に足は動かない。
怖いのだ、彼女を見捨てた僕をどう思っていたのだろうか…
考えるだけでとても苦しい。
僕の言葉に彼女は見つめるだけ
僕は勇気を振り絞り一歩一歩と彼女の元へと進む。
彼女との距離は3歩程度になった。
近くで見る彼女はやはり綺麗だ、
傷も血もついていない…
「…っごめんなさい、僕のせいで…僕が勇気を出していれば…君はあんなことに、ならなかったのに…」
涙と謝罪が溢れ出る。
泣き顔を見せまいと下を向く、
だがコツコツと僕の方へと向かってくる足音。
顔を上げると僕よりも身長が高い彼女が僕を見下ろす。
彼女は僕の髪に触れ、少し眉を下げた
「…姉さん」
そう、僕が言うと彼女が口を開いた。
「…姉さんって呼ばないでって言ってるじゃん」
少し笑みを浮かべながらそう言う、
一生聞けないかと思った声を聞けて、また涙が溢れ出してくる。
「私のことは、もう気にしないで」
「それと、幸せになりなよ。」
そう言い薄く消える彼女…
「…え?ね、姉さん…!僕、」
…夢…か。
まだまだ、話したいことはあったのに…
もう夢でしか会えない彼女の存在に、僕は現実を受け止めるしかなかった。
コメント
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1人でガチ泣きしてた、