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もしかしたら外伝の方にみどりくんの過去編移すかもです!




みどりいろ視点


いざ、死ぬとなると恐ろしくなってきた。


とっくのとうに死んでるくせに。


他人を殺した分際のくせに。


でも、死んだらどうなるの?


記憶は?全てなかったことになるの?


自分がいたことも。


世界の事も。


なにも、なくなる。


全てなかったと同じことになる。


それって、すごい怖いことだ。


やっぱり死にたくない。


怖いよ。


もっと、一緒にいたかった。


せっかく、独りじゃなくなったのに―――




ぐ 「 あれ…? 」


するはずもない声が聞こえる。


ぺ 「 成仏…じゃなかった? 」


み 「 …エ? 」


恐る恐る目を開けると、ぼやぼやと先程の景色が見える。


ぐ 「 もしかして…新しく未練出来ちゃいました?w 」


ら 「 た”ィじょーブ、ヒとリじャなぃょ、 」


そういい、らっだぁがオレの目元へと手を伸ばす。


あぁ、泣いてたんだ、オレ。


しばらく泣き喚き、3人を困らせた。


やっと落ち着いて、思考ができるようになった。


恥ずかしさに少し帽子を深く被り、まず恩を返す、いや、当然のことをする。


指を鳴らし、結界をとく。


み 「 トジコメテゴメンナサイ、ソシテアリガトウ。 」


ぐ 「 いいの?逃がしちゃって。 」


み 「 ウン、イロイロシテモラッタシ。 」


み 「 ソレに、3人ニハ……、シンデホシクナイカラ。 」


また、寿命を奪って枯らしてしまうなんてことはしたくない。


同じ過ちは繰り返したくない。


ら 「 なンで悲しソゥなノ? 」


ら 「 げンきモト”って、ミどり… 」


らっだぁは困惑しながらも慰めてくれた。


その行為に嬉しい、このままそばにいて欲しいと思いつつも、死なせないためには一刻も早く出て言ってもらわねばならない、という現実が相反する。


み 「 ジュミョウ、ナクナッチャウカラ、ハヤクカエッテ……ネ? 」


これ以上泣き顔は見せない為に。


笑顔で見送るために。


さぁ、早く帰って―――




み 「 ッ!? 」


勢いよくらっだぁに抱きつかれる。


ら 「 ジゅみョうナら、おレのヲとッて。 」


み 「 デモ、ソシタラらっだぁガ…」


ぺ 「 いーんじゃない?別に。 」


ぐ 「 らっだぁ、寿命ないようなもんだし。 」


み 「 ジュミョウガ、ナイ…? 」


ぐ 「 そう。らっだぁは長命種の鬼人族だから、病気や意図的に殺されない限りほぼ死なない。 」


ぺ 「 だから、遠慮なく寿命取っちゃっていいってわけ! 」


でも、もし寿命を吸い尽くして殺してしまったら?


らっだぁはそれを許してくれるの?


それに、もし―――


ら 「 深ィこトは、かんヵ゙えなぃ! 」


ら 「 いっシょ二ィこ、ミどリ? 」


らっだぁの腕の中、他2人の顔色を伺う。


別になんてことも無い、と言った顔でこちらを見ている。


肝心のらっだぁの顔は―――


見えないが、何となくわかる気がした。


み 「 アリガトウ…ッ 」


ら 「 ぜッたィに、さキニぃなくナらなぃからネ。 」







そう、言ってくれたのに。


彼は、愚かな人間共のせいで、仲間を失った。


罠に掛けられた。



魔王を倒し、平和になった世界。


彼は、初めてぐちつぼとぺいんと無しで旅行に行った。


オレ達も共に、楽しい時間を過ごした。


帰り道、砂浜で拾った綺麗な貝殻をバックにパンパンに詰めて、にこにこだった彼の表情はどんどん曇っていった。


街の人々の心配そうな顔。噂話。


気づいてしまったオレ達は急いで国へと戻った。




けど、もう遅かったんだ。



国の、いや世界の中で1番、飛び抜けて強い彼が居ない時を狙って。


ぺいんとやぐちつぼ、他の重要戦力が少なくなったタイミングで。


謀られた。


国はそこら中が戦場となって、空の青は見えることはなく、地は朱に染まっていた。


怒り狂い、悲しみに苛まれた彼は、周りの忠告を全て無視して、敵国へと攻め込んだ。


たった一人で。


結果、追い詰められた彼はホンノウを解き放つことになった。


そして、第2の悪夢が始まった。


破壊を尽くし、止まることの知らない怪物と化した彼を、止められる者はいなかった。


皆が、彼を救おうとした。


誰も、殺すなんて選択肢を持っていなかった。


けれども、理性の無くなってしまった彼は救おうとした仲間を、彼の愛した仲間を、自らの手で切り裂き、貫き、爆ぜさせ、そして、



ころした。



やっとの思いで、ぺいんととぐちつぼが封印し、水晶スノードームに閉じ込めた。


我を取り戻した彼は、水晶の中で叫び、嗚咽し、絶望した。


そして、目の前で、自らが付けた傷によって衰弱し、死に逝く2人を、ゆっくりと、ゆっくりと眺めていた。


眺めるしかできなかった。


そして、やがて彼は心が崩れ、空っぽの置物になった。




そんな彼が、いつ戻ってきてもいいように、オレなりにも頑張った。


立ち直ることは決してできなかったが、滅びかけた世界の残った人々をかきあつめ、もう一度人類を発達させようとした。


あいしたヒトのいない世界で。


数キロメートル事に、残っていた学校などの大人数が暮らせそうな建物に人を集め、自給自足させた。


国の都市部にあった学校を中心とし、生き残った信用出来る長命種の知り合いを幹部にする。


でも、全てが上手くいく訳もなくて。


全ての人間が従ってくれるわけでもないし、食料も上手く集まらない。


それでも頑張って、100年くらいたった。


従来にくらべ栄養価の低いあげくに少ない食事、そのせいで人々の平均寿命は一気に下がっていった。


代替3世代目位の人間から、生活魔法を使うのでやっと、と言った位の魔力しかない人間が急激に増えた。


先代の人間もそうだ。生活魔法しか使わないせいで急激に魔力が落ちてる。



そして、その次の年には風邪が流行った。


昔なら、風邪で済んだのに、薬もまともに無いせいで、残った人口の3割以上が息絶えた。


残された少ない人々にとって、3割は非常に大きな数字だった。


あぁ、何も上手くいかない。


もう、嫌だな。


そうだ、逃げ出してしまおう。


忘れてしまおう。


もういいよね、らだおくん。


オレ、充分頑張ったよ。


自分を色々プログラムし、今までの記憶を水晶に詰める。


らだおくんとお揃いだね、なんて、冗談にもならないな。


念の為、書き置きを残して、大切にするようプログラムする。


数十年経ち、思い出してはもう1回プログラムする。


あぁ、次思い出す時には、貴方が居たら――

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