テラーノベル
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それからしばらくして、私達は祐誠さんの休みに私の両親も連れて長野に向かった。
ロープウェイに乗って、どんどん上がってく。
夜になって、すごく広い高原にみんなでシートを敷いて寝転んだ。
ガイドさんの説明を夢中で聞く正孝。
いろんな星座のことを教えてくれて、それが本当に楽しいみたいで終始ニコニコしてる。
興味津々の正孝を見てたら、私までワクワクしてきた。
まるで子どもの頃にタイムスリップしたみたいだ。
きっと、希良君もこんな風にここに寝転んで、小さな胸を踊らせながらこの星空を見てたんだろうな。
時間になって、一斉に電気が消えた。
全ての明かりがシャットアウトされたその瞬間……
空1面に星がびっしりと輝いて、それはそれは美しい光景が浮かび上がった。
「うわぁ! 綺麗」
そう叫んで、正孝は空に向かって手を伸ばした。
星、本当につかめそうな気がする。
もう少しで……届きそうだ。
祐誠さんも正孝の隣で手を伸ばす。
親子で顔を見合わせて微笑む姿を、私は本当に愛おしく思った。
「いつかあの人と……」って、希良君が言ってくれたこと、今叶ったよ。
君が教えてくれたこの場所に……
やっと……
家族みんなで来ることができた。
大好きな人達と素晴らしい時間を歩めていることは、きっと当たり前じゃない。
だから、私は……いつだって感謝を忘れない。
祐誠さんと正孝、そして両親の笑顔。
それが私の1番の宝物。
この星が降り注ぐ夜に、私はまた一つ、家族との大切な思い出を心に刻むことができた。
最高の思い出を。
本当に、みんな、いつも側にいてくれてありがとう。
これからもずっと……一緒にいようね。
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