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「年齢は関係ありません。先程も申しましたが、僕はフィオナがいいんです」


真っ直ぐに母親等を見遣りながら、右手でフィオナの手を握った。弾かれた様に顔を上げる彼女に、安心させる様に笑って見せた。


「あらそうですか」


如何にもつまらないと言う様に吐き捨てる。


「まあ、それなら仕方ありませんわね。結婚を認めても構いませんが、その代わり大切な娘を嫁がせるのですから、それなりの誠意を見せて頂かないと困ります」


大切な、ね。


よくもまあ、飄々と言いのけるものだ。そしてヴィレームの予想通り、金を要求してきた。


「成る程。どれくらいお支払いすれば宜しいのですか」


ヴィレームがそう聞いた時、フィオナが首を横に振る。だが笑ってスルーした。


「そうですわねぇ、何しろとても大切な娘を泣く泣く手放すのですから……これくらいは頂かないと」


母親の提示した額は、立派な屋敷を一つ建てれる程の額だった。相変わらず、いやらしい笑みを浮かべている。差し詰め、初めに払えそうも無い大きな金額を提示しておいて、相手が渋ったら本来の希望金額まで下げる手法だろう。随分と慣れたものだ。


「もし、支払えないと言ったら……どうなりますか」


試す様に、様子を伺う。


「その時は、残念なら娘を渡す事は出来ません。娘が欲しいなら、ちゃんと払うものは払って頂かないと。でももしそうなったら困りますわねぇ。既に貴方のお屋敷でお世話になっていると言うのに、今更出戻りとなると……どの道、傷ものにされた責任はとって頂かないと」


一見すると理不尽極まりない事を言っている様にも聞こえるが、後半の部分は強ち間違いでも無い。嫁入り前の娘と同じ屋根の下で暮らしているのだ。傷ものにした覚えはないが、そんな言い分は罷り通らない。


「無論、責任は取ります。花嫁代は、そちらの言い値でお支払い致しましょう」





◆◆◆


フィオナは久しぶりに実家の自室へと入った。両親等に挨拶も終わり、そろそろ帰ろうとしたのだが、ある事を思い出しヴィレームを応接間に残して一人部屋に来た。


フィオナは、鏡台の一番下の引き出しを上ける。するとその奥には更に鍵のかかった引き出しがある。少し躊躇いながらも鍵を開けると、中からは古びた木箱が出てきた。


「……」


フィオナはそれを布で包むと、そのまま部屋を後にしようと立ち上がるが……。


「ミラベル……」


振り返るとそこには、妹のミラベルが立っていた。

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