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星キラリ

2,012
ムメイ
661
まなこ〜友
476
72
山倉さんの装いは、彼女らしさが出ていて素敵だった。
私と彼女の洋服がシンクロしている点は、スカート丈にあった。
ふたりとも、足首付近までのロング丈になっている。
私は誰かとカップルになり、そのままデートに出掛けてディナーを一緒に
過ごすかもしれないという、そのような流れも思い描いていた。
そしてそのあとのことも……。
だからそういうことも踏まえた上で、ロマンティックな雰囲気をめいっぱい演出できる
ようなドレスにした。
大正解っ!
おそらく、今日一番人気だったと思われる『渋谷圭吾』さんとカップリング
できたから。
最初から、自信はあったけどね。ふふん。
これが誰とも付き合ったことのない状況で臨んでいたら、緊張し過ぎて
駄目だったかもしんない。
それを考えると、奥田さんとの長い付き合いも無駄じゃなかったってことになるじゃない?
なんか、こういうのいい感じじゃない?
異性との付き合い方のお勉強だったって思えば、今まで味合わされたきたじれったさや
悔しさなんて、いっぺんに吹っ飛んじゃうもの。
前向き思考ってヤツ。
ただし、このまま奥田さんとの不倫関係のままの付き合いを継続するだけなら、私は
確実に負け組になるしかない。
私より若くて可愛い子が彼の前に現れれば、私はお払い箱になる可能性だってあるもの。
あれほど自分に夢中になっていても、結局彼は離婚していない。
奥さんとの間に倦怠期が訪れたように、いずれ自分との間にも彼が倦怠期を
迎えるのは、目に見えている。
でもね『早く離婚してください』なんて、口が裂けても言えないわ。
……とはいえ、それとなく態度には出しているけれど。
それが私の精一杯。
だって、そう懇願して離婚してくれなかった場合、目も当てられないじゃない?
私はそんな惨めな女にはなりたくないの。
さぁ~っと、素敵な男性と結婚して彼を後悔させるくらいじゃないと。
言い訳ばかり並べて、私と結婚しなかったことを死ぬほど後悔させてやるわ。
休憩タイムに山倉さんから
「誰か、いい男性いた?」
って訊かれたんだけど。
「う~ん、短時間話しただけですから難しいですね~」
って答えた。
たぶん、彼女も渋谷さん狙いだったんじゃないのかな、な──んて思ってんだけど。
まぁお互い、自分たちの気に入っている男性のことは話さなかったから、確信は
ないけど。
渋谷さんは見た目だけじゃなくて収入もよいし、会話力に長けていて、たぶん今日参加した
女性たちの大半が彼狙いだったんじゃないかな。
そんな一番人気の渋谷さんがいいなんて話をしてて、選ばれなかったら
恥ずかし過ぎるでしょ?
それに彼女も彼のこといいなって思ってたらライバルになっちゃうしね。
あとで気まずくなるのも嫌だし……。
帰りは、渋谷さんとの話に夢中で山倉さんに挨拶できなかったから、出社した時に婚活
パーティー誘ってくれたお礼と、帰り際に挨拶できなかった無礼をお詫びしないと。
この日、婚活パーティー会場をあとにして、渋谷と夜遅くまで過ごしたふたりの時間、
蓉子は力が入り少し緊張していた。
絶対、コケるわけにはいかない。
そう、ここから真剣勝負タイムとなるからだ。
コメント
1件
第72話、読み終わりました。 蓉子、完全に勝ち気モードですね(笑)。渋谷さんとカップリングできたのは確かに運も実力もあってのことでしょうけど、その裏で奥田さんとの不倫関係を「勉強期間」と位置づけて自分を納得させようとするあたり、リアルでちょっと切なくなりました。「言い訳ばかり並べて…死ぬほど後悔させてやる」って、恨みと執着が混ざってて嫌な感じじゃなく、むしろ必死な人間らしさが出てます。 それにしても山倉さんとの牽制合い、女性同士の距離感が絶妙で、こういう空気感がこの作品のリアリティだなあと。続きが気になります。