テラーノベル
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((朝の病室、薄明るい光が差し込む
((ハンがリノの車椅子のタイヤを拭きながら笑う
Hn. 今日は晴れたぞ、ヒョン
桜も満開だってさ
Ln. ((目を細めて
俺のためにこんな日を選ぶなんて、ハンもできるじゃん
Hn. もちろん、全部ヒョンのためにだよ
((看護師さんがカーテンを開けて通院許可証を持ってくる
看護師. リノヒョン、外出許可がおりましたよ
Ln. ((ゆっくり立ち上がり
じゃあ、行くか
((二人、廊下をゆっくり歩く
((病院の外に出ると、風に乗って桜の花びらが舞う
Ln. 桜、きれいだな……
こんなに間近で見るの、久しぶりかも
Hn. ((車椅子のリノを押しながら
もっと見たいとこ、いっぱいあるよ
Ln. お前がいるから、俺はまだまだ見れるかもな
((しばらく無言で、二人は桜の並木道を進む
((花びらが舞い落ちて、リノの肩にふわり
Ln. ((指で花びらを払って)
これが春の贈り物か
Hn. ずっと一緒にいような、ヒョン
Ln. 俺もだ
((風が強くなり、花びらがさらに舞う
((リノの瞳にほんのり涙がにじむ
Hn. ((静かに
何考えてる?
Ln. なんでもない
ただ、ここにいられるだけで幸せだってこと
Hn. ((微笑み
俺もそう思う
((二人の影が長く伸びて、桜の花と重なる
((夕暮れの静かな温もりが、二人の胸を満たしていく
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