紗友さんに着いてくと、そこには悠羅さん、祐穂さん、健斗さんがいた。
「どういうことか…説明してくれる?」
悠羅さんが言った。
「君達は既に察しているのだろう?」
「この世界は君たちの読んでいた『人狼ゲーム』の世界だと」
紗友さんの口調はだいぶ違っていた。
「どうしてそう思ったの?」
祐穂さんが言った。
すると、紗友さんは僕達を指さしながら言った
「来栖病」
「七海莉菜」
「雪織迷」
「夜奏堤」
「君達は僕の作品の読者だろう?」
その時気付いた。
この人達は僕と同じ異世界スリップしてきた人で、紗友さんは僕達が読んでいた作品の作者だと。
「完結を迎えた僕の『人狼ゲーム』」
「君達はこの続きを密かに楽しみにしていたはずだ。」
「だったら何?」
悠羅さん…即ち莉菜さんが言う。
「だから、実際に体験してもらおうと思ったのさ。」
「実際面白そうだったからね」
「で、でも…普通に投稿すればよかっただけじゃ…」
僕は言った。
「でも、体験した方が面白いだろう?」
「僕は面白さを実行に移したまで」
「君達も密かに楽しみにしているはずだ…」
そんなわけない、そんなわけない。
だって作中の狂月悠斗は途中で死ぬんだ。
僕は死にたくない。
戻れるかも分からないのに。
「自分のキャラ、途中で死ぬんだけど」
健斗さん(堤さん)が僕の言いたかったことを言ってくれた。
「ふふふ、せっかくだから死の体験もしてみたら?」
作者さん…ホルン67さんはそう言うだけだった。
「話は以上だ。」
「くれぐれも、“正常のキャラ達”に疑われないように、それぞれのキャラを演じ切るんだよ。」
ホルン67さんはそれだけ言うと去っていった。
「……」
その場には、沈黙が流れた。
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死んでも大丈夫……よね……?(