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カチ、と音を立てるのは既に二十三時を回った時計。
はぁ、と小さな溜息を吐く。
静かな部屋に、ひとりぼっち。ふっと手に握るスマホの液晶に目線を落とす。
「…さとみくん」
愛しい彼の名前を呼んでも、彼は俺の前には現れない。
俺はソファーから立ち上がり、彼のクローゼットを開ける。
そこから彼のシャツを一枚取り、ふんわりと羽織り、彼のベッドへ倒れた。
ぶかぶかの袖を顔へ当てれば、彼の匂いが鼻をくすぐる。
「…早く、帰って来ないかなぁ…」
ぎゅうっと彼のシャツを抱き締め、小さく呟いた。