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「は、っ、はぁっ…」
こんなに走ったのはいつぶりだろう。
頬に受ける風が冷たく、耳が痛い。
片手に握った鞄と赤いリボンで装飾された彼へのプレゼントをそっと触る。
九時には帰るよ、と彼に言ったまま、現時刻は十二時半。
とんだ大遅刻だ。
彼は寂しくないだろうか、泣いていないだろうか。
考えれば考える程に一人の彼を想像してしまい、焦りが生じる。
「りいぬ」
彼の名前をひとつ呟き、足を急がせる。
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