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「最終日まで残った者はいなかったのか、もう少し難易度を下げるべきかな?」
肉片に変わった参加者達を踏みながら、顔写真にバツ印をつける。最早この塊が誰だったかも分からないが、全員死んだだろう。
食欲が無いのか食べられないまま隅に放置されている人間だったものを、次のゲームまでに綺麗にしなければいけない。
処理が面倒だから食べてほしいが、時間が経過した肉を食べようとする子はいない。きっと鉄錆の味がする。
「はあ、部屋に居といてよ。探したんだけど。」
片方が赤く濡れたパープルが、冷たい床に足跡をつけながらやって来た。
「ねえ、今日って特別な日なの?なんかブルーが変なんだけど。」
「変とは?」
「ゲームは終わってるのに、ずっとシアターで暴れてる。ここで説明するより見た方が早いよ。」
早く来いと言いたげに強く腕を引っ張られ、躓きながらシアターまで連れていかれた。
「ほら、あれ。細かくしてるだけで食べてない。怒ってるとかじゃなくて、楽しんでる。 」
パープルの言う通り、ブルーがシアターの中央で暴れている。心底楽しそうに大きく笑い声を上げ、手で塊を潰していた。
「まあ…楽しいんだろう。」
「適当に言わないで、絶対変だって。」
暫く様子を見ていると、ブルーがこちらに走ってきた。
何時にも増して瞳を輝かせながら、頑張ったと血肉塗れのシアターを指差す。
どうやらブルーがみんなに内緒で考えた「サプライズ」らしい。
「え、サプライズなのこれ…。ブルーがおかしくなったとかじゃなくて良かったけどさ。」
「ブルーが用意してくれたサプライズを無下にする訳にはいかないだろう。喜ぼうか。」
今日はブルーにとって、普通の日を特別な日にした最高のサプライズだ。パープルにぎゅっとハグをして、他のみんなが来るのを心待ちにしている。
「ハグ?私はいいよ、他の子にやっておいで。」
今日は少し片付けを遅らせるのもいいかもしれない。ブルーの特別な日なのだから。
※イラストにトレス素材等使用しておりません。