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ゲン羽
羽京「……ねぇ、ゲン。これほんとに近道? 」
ゲン「心配しないでよ。羽京ちゃん」
ゲンに連れられて入った薄暗い林道。
あたりには何もなく、人の気配どころか動物の気配すらなかった。
羽京「……人、いなさすぎじゃない?」
ゲン「だから近道」
振り返ったときには、もう距離が近かった。
羽京「っ……」
言葉になる前に、
片手で、両手首をまとめてガシッと掴まれる。
決して乱暴じゃない、けど逃げられない。
ゲン「…こーいうの好きでしょ?羽京ちゃん」
名前の呼び方が、わざとらしく甘い。
羽京「………っ、しらない…」
強がって言ったつもりなのに、 掴まれた手首に力が入らない。
ゲン「否定しないんだ」
太ももから頭の上に回された指先までぴったりとくっついている。
まるで支配するように。
ゲン「ほら」
低く。
ゲン「逃げる気、ないじゃない。羽京ちゃん」
背中が林の中の木に押し付けられる。
そこら辺に咲いている花の影が、視界の端で歪む。
羽京「……っ、やぁ……」
抵抗する足を絡めつけながら唇を重ねる。
息が奪われる。
羽京「…んっ、ねぇ……っ…息、」
絡められた足の感触に、言葉が追いつかない。
ぐちょぐちょになった羽京の手をぱっと離す。
ゲン「…ここで終わり」
羽京「………っ、へ?」
拘束が解けた手首には、まだ生暖かい温もりが残っている。
羽京「続きが欲しかったら」
振り返らずにいう。
ゲン「自分からきてね」
そう言い残し路地の奥へ消えていった。
終わり