テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
ちぃ
50
────────────────────────────
クロノヴァ初のツアー、その初日前夜。
最終確認を終え、後は寝るだけの2人がホテルの一室に集まっていた。
🐧「明日か〜」
🐈「明日やな〜」
片方は椅子に、片方はベッドの上に。
各々スマホを弄っていて、一見くつろいでいるように見えるが緊張している2人は、途切れ途切れに明日への思いを語る。
🐧「楽しみだなぁ」
🐈「おん」
🐈「半年以上ぶりやな〜」
🐧「長かったような短かったような」
🐈「わかる」
🐈「何回やってもライブ前って緊張するもんなんやな」
🐧「まだいうて3回目でしょ」
🐈「これから慣れてくんかな〜」
🐧「でもこのドキドキもライブの醍醐味っていうか、全部含めて俺はライブ好きだわ」
🐈「うるみやも」
🐧「明日ライブ終わったら味噌カツ食べたい」
🐈「も〜腹減ってきたって〜」
🐧「wwww」
🐈「明日でさ、6人集まれるのは、、 」
🐧「またいつか絶対6人でライブする。」
🐈「…ごめん」
🐧「俺の方こそ」
🐈「ライブ前にこんなこと言ったらあかんよな〜、しっかりせんと」
🐧「気持ちはわかるけど、あいつは絶対戻ってくるよ」
🐈「せやんな、俺がこんなこと言ってたらあかんわ」
🐈「…一発背中叩いてくれん?」
🐧「明日ね笑」
明日が終わればクロノヴァは暫く5人だ。
どれだけ話し合いを重ね、自分を奮い立たせても、不安が綺麗さっぱり無くなるなんてことは無い。
それでも進まなければいけない。
自分達の夢の為に。
支えてくれるリスナーの為に。
🐧「そろそろ寝よっかな〜」
🐈「もう戻んの?」
🐧「ん〜、どうしよ」
🐧「早く寝た方がいいのは分かってるんだけどさ、もうちょっと起きてたい気持ちもある 」
🐈「あーね」
🐈「なあ」
🐧「ん?」
🐈「…マッサージして?」
🐧「え」
🐧「昨日したやん!」
🐈「wwww」
🐧「しょーがないな〜」
🐈「え」
🐈「してくれんの?」
🐧「しなくていいならしないよ?」
🐈「して!」
🐧「はいはい笑」
🐧「こっちおいで」
青がベッドの上をポンポンと叩く。
🐈「うるみやの部屋なんやけどなぁ」
🐧「まあまあ」
そう言って青はベッドから体を起こし、うつ伏せになった橙の横に膝を立てた。
肩甲骨の辺りに手を置き、痛くない程度に体重をかけてゆっくり解していく。
時間をかけてしっかりと橙の体を解し終えた青は「満足した?」と声を掛ける。
🐈「満足したぁ、眠い」
🐧「じゃあ俺は戻りますよ」
🐈「うん、ありがとう」
スマホを持って自室に戻ろうとした青が振り返る。
🐧「うる」
🐈「ん?」
🐧「ぶち上げようね」
🐈「当たり前」
パタン、と静かにドアが閉まる。
自室に1人きりになった2人。
片方は早々に目を瞑り、もう片方は日付が変わるころまで起きていた。
明日はクロノヴァの歴史に、
2人の人生に、
生涯刻まれる最高の思い出になるだろう。
────────────────────────────
コメント
1件
ああ、めっちゃいい話だった……! ライブ前夜の緊張と楽しみが入り混じった空気が、短い会話の中にぎゅっと詰まってた。「あいつは絶対戻ってくるよ」ってセリフにグッときたし、背中叩いてほしいって頼む関係性が尊すぎる…。6人の絆と、それでも前に進む2人の覚悟がじんわり伝わってくる。明日のライブ、絶対最高になるやつだこれ🔥